父想う日 | nagarenotokiのブログ

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四季折々、自然の姿に感じること



 
https://www.youtube.com/watch?v=TfCg8F4Ux58

もうすぐ 18年前に亡くなった 
父の命日である

18年前の春 父は体調を崩して入院した
そして二度と 生きて家に帰ることはなかった
壮絶な癌との闘い・・・苦しむ父を支えた母
もともと寡黙で 後姿で学ばせてくれる父だったが
その最期の4か月は 父の生きざまが凝縮されていた
隣のベッドの人が食事が済むと 
父は私に 食器を片付けてあげるように指示した
どんなに痛みが激しくても 麻薬を拒否した
「麻薬を使う事がいいとは言えない」などと
自分なりのポリシーを貫いた
今 私は思う
父は本当に男らしい人だったと

また父は こよなく花を愛した人だった
たくさんの草花 花が咲く木を植えていた
今も季節ごとに 美しい花が咲いている
夏の初め カサブランカが見事な花を咲かせたので
切り花にして 病室に持って行ったことがある
その際に 私の服が花粉だらけになったことも
懐かしい思い出である

 
特に父が好きだったのは コスモス
わざわざ 種をまいて育てていた
だから 父の棺の中にコスモスを・・・と思ったが
その年はなぜか コスモスがまだあまり咲かず 
ほんの少ししか 入れることは出来なかった
その代わり 野には真っ赤な彼岸花があふれていた

彼岸の頃に旅立つのは それが天寿だったと言う事・・・と
教えてくれたおばがいて 妙に納得したものだった
そのおばも 去年旅立って行った
彼岸は そのなつかしい人たちが 
身近に還って来るような
目には見えないけれど あたたかな気配を感じるのだ