https://www.youtube.com/watch?v=3ybiWSOeGGo
1年前の事です。友人がこの地に住む「前世」を視てくれるという人の所に行ったと言う話を聞かせてくれました。とても納得出来たし、行って良かったから、ぜひ行ってみたら?と言うのです。人並み以上に好奇心旺盛な私は、「前世」というものを胡散臭くも思いながら、軽い気持ちで前世療法で有名な医学博士越智啓子さんの指導を受けたという女性の家を訪ねたのです。
その女性は、私の情報を何一つ得ることなしに、私の前世の透視?を始めました(ただし、出て来る前世は、今の自分にもっとも影響を与えている前世だということです)。私の左の肩甲骨あたりに手を置いて、彼女が最初に告げたのは「深い悲しみを感じます」という言葉。そして、語り出したのです。
中世ヨーロッパ。ある街で激しい戦い(十字軍関係?)があった。たくさんの兵士の死体が散乱している中で、一人の男が血にまみれた死体を荷車に積み込み、大きな公園の広場に荷車を引いて行っては、死体を下ろし、等間隔に並べ、手を胸の上で組ませている・・・。その男はたった一人で黙々とその作業を続けていた。心やさしいその男は、敵の兵士も味方の兵士も、同じように丁重に扱い、葬ってやりたいと思っていたのだ。だが、その彼の行動は当時の街の人々には全く理解されず、奇異なものと映った。そして、誰かが役人にその事を通報した。彼は捕らえられ、一言の弁解をすることもなく、自分の運命を受け入れ、処刑されることになった。その処刑の方法は、首の後ろから長い刃を首の前に貫通させるというものだった。そして、敵の兵士たちと同じ大きな墓穴に放り込まれて埋められた。
そこまで聞いた時、私はある驚きでドキドキして来ました。と言うのは、その2年前から喉に近い首の一部に激しい痛みが起こって、内科、外科、整形外科、耳鼻科、歯科などであらゆる検査を受けて来ましたが、どこに行っても異常なしとの診断を受けて、仕方なく鎮痛剤を飲んでしのいでいたからです。すぐに彼女にその事実を伝えました。すると彼女はごく当然そうに「前世で痛みを受けた年齢になると、それが現れることがあるのです」と言うのです。そして、「今から刺さったままの刃の抜き取り作業をしましょう」と言って、私の後ろからやさしく声をかけながら、刃を抜いてくれました。
その時の私と言えば・・・どうしてこんなに涙が出るのだろう・・・というほど涙が後から後からあふれ、止まりませんでした。それは、その男・・・それが自分だと思うと変な気分なのですが(笑)・・・の話に感動したからです。敵も味方も関係なく丁重に葬りたい・・・それを考えたのは、その街の政治家などではなくて、一介の名もない街の男です。でも、誰もその愛にあふれた志を理解せず、処刑されてしまった・・・その話が、あまりにも悲しいものだったからです。
・・・不思議なことに、刃の抜き取り作業(もちろんそのフリだけですが)の直後から、首の痛みは全く消えてしまいました。その頃、鎮痛剤も効かないくらい痛くなっていて、再びCT検査などを受けていたのです。それなのに跡形もなく痛みがなくなって、以後、同じ痛みを経験していません。もしかしたら自己暗示で治ったのだろうか・・・と出来るだけ科学的に考えようとしていますが、なぜよりによって、こんな時期にその女性と出会ったのか・・・ということも含めて、この件はどうしても割り切れません。
前世を視てくれた女性に、私は尋ねました。「この男性はこんなに愛深い行動をしようとしたのに、全然報われることがなかったのですね?」
彼女はこう答えました。「いいえ、少しは報われています。人間はみな魂を持っているから、亡くなって魂となった兵士たちは前世のあなたに感謝の思いを抱きながら旅立って行ったのです。そのことは、あなた(その男性)も処刑された後、魂となって感じたのですよ」
不思議な思いで一杯になりながら、うちに帰って、インターネットで検索してわかったのです。中世ヨーロッパでは、確かに首を刃で貫通させる処刑方法があったこと。それは早く死に至る処刑方法なので、「軽い処刑」とみなされていたこと。そして、刑務所などというものはなく、捕らえられた人は必ず処刑された時代だったこと・・・。
何より、その男性が「亡くなった兵士の手を胸の上で組ませていた」のですが、私も仕事の上で時々同じことをしています。最後にその女性は言われました。「前世ではしようとしたことを完全に出来ずに終わったので、今世ではやり遂げたいと、生まれる時に志したのです」
前世というものが、果たしてあるのかないのか・・・命は形を変えて、脈々と続いていくのでしょうか・・・。果てしないロマンとして、我が身に起こった不思議な出来事を大切な思い出にしています。