なぞなぞの著作権インデックス


なぞなぞの著作権について
法律家の視点から論じたWEBサイトは、
残念ながら、ほとんど存在しません。

このことが、
KYなぞなぞ作家が増長してきた、
最大の原因となっています。

「なぞなぞ」と「著作権」をキーワードに、
ネット検索を続けていくうちに、

弁護士ドットコムで、
「NAVERまとめの転載は、著作権法違反?」
という質問へのやり取りを見つけました。
https://www.bengo4.com/houmu/17/1263/b_326257/

岡田晃朝弁護士(兵庫県)が
https://www.bengo4.com/hyogo/a_28204/l_138085/

「なぞなぞのネタ自体はアイデアであり著作物ではない」
「表現の仕方は著作物の可能性があり、
 その場合は転載元の同意が必要」
との法的見解を出しています。

「同じ答えであっても異なる表現さえ使えば大丈夫?」
という次の質問には「そうです」と答えています。

つまり、

見解1)他人のなぞなぞを同じ表現のまま使うという
     「転載」はまずい可能性がある

見解2)なぞなぞを自分流に書き直したらOK

ということです。


私は
見解2は当然だと思うのですが、
見解1については若干の疑問があります。

  「幼稚園の制服は何色?」
  という定番なぞなぞは、
  これ以上変えられないくらいの、
  ありがちの (普遍的な)表現です。

  これをわざわざ、
  「幼稚園に通ってる子供の制服は何色?」
  と、表現を変えればOK、
  だというのは、
  説明がかなり不足しています。

  「幼稚園の制服は何色?」
  自体がすでに、
  アイデアを記述したただの短文にすぎず、
  「著作物」と言えるようなものではないので、
  当然「著作権」も発生しないからです。

  このまま使用しても、
  法的にまったく問題はありませんし、
  もちろん、
  「幼稚園に通ってる子供の制服は何色?」
  という表現に作り変えたものでも、
  誰に断る必要もなく、
  使用することができます。

  その代わり
  著作権も発生しません。

  なぜ、当該弁護士は、
  「表現の仕方は著作物の可能性があり、
  その場合は転載元の同意が必要」
  という言い方をしたのでしょう?

  それはおそらく、

  なぞなぞの「表現の仕方」には、
  いろいろな表現が考えられ、
  一概に「著作物ではない」「著作権がない」
  とは、言い切れないからです。

  より具体的に説明するならば、

  短めのなぞなぞ(40文字未満)はともかく、

  「長めのなぞなぞ (40文字以上)、
   あるいは、
   個性的かつ創造的な表現を含むなぞなぞの場合、
   著作権が発生する場合がある」
  
  と言えるからです。

  そして、この
  「場合がある」
  という表現が非常に曲者。

  「長文なぞなぞ」、あるいは、
  「個性的かつ創造的な表現を含むなぞなぞ」
  については、
  著作権に詳しい法律家が、
  一つ一つ判定・協議していかない限り、
  即座にどちらの言い分が正しい
  という結論が出せないような、
  グレーゾーンが存在するのは、
  確かです。

  +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
  【重要補足】
   「(なぞなぞのごく一部に )
     著作権のグレーゾーンが存在する」
   というのを、
   「すべてのなぞなぞに、
     著作権のグレーゾーンが存在する」
   と、自分に都合よく拡大解釈するのが、
   KYなぞなぞ作家のロジック(やり口)なので、
   この点には、よーく注意しましょう。
  +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

  このような理由から、
  質問者がなぞなぞを転載することで
  転載元の作者から盗用と指摘されるなどの
  トラブルを防ぐため、

  「そのままのなぞなぞ転載はやめて、
   自分なりの表現に変えれば問題ない」
 
   というような言い方をされたのでしょう。

  もっとも、これはこれで、
  弁護士の立場からすれば、
  依頼者を守る上で一番安全であり、
  非常に適切なアドバイスだと思います。

  実際、そうしておけば、
  よほどのことがない限り、
  著作権侵害ということにはならない。
  (そもそも、
   短いなぞなぞには著作権は存在しない)

  そうそう、
  大事なことを1つ言い忘れました。
  見解2だけでは、
  大きな落とし穴があります。

  「幼稚園の制服は何色?」を
  「保育園の制服は何色?」
  に書き換えて使用したとしたら、

  今度は、
  「保育園の制服は何色?」
  という問題を作ったのは自分だと言って、
  盗作だ、
  著作権を侵害された、
  と主張してくる、
  KYなぞなぞ作家のような、
  「変な人」で済ませられるレベルではない
  「異常なる人物」が出てきます。
  
  たとえ偶然の一致であっても、
  盗作だ、
  著作権を侵害された、
  と、そういう人は言い張ります。
  最悪、ネット上で誹謗中傷を始めます。

  そういった不当な主張を退けるためには、
  「基本的に、なぞなぞには著作権はない」
  「特に、短いなぞなぞに著作権はない」
  という基本的な原則(一般的な法的見解)
  を示すことが必要です。

  ここを出発点にしないと、
  「長文なぞなぞ」
  「個性的かつ創造的な表現を含むなぞなぞ」
  の著作権有無の議論自体が
  成り立たなくなります。

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【要参照】

1.なぞなぞに著作権はあるか?

2.短いなぞなぞと長いなぞなぞの定義

3.俳句と短歌にあって、なぞなぞにないもの、なーんだ?

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