素人投資道 その6 スイスプライベートバンク道中記
その翌年のことです。
歴史に名を残す
リーマンショック
が全世界を襲うのは。。
始めた時期が悪すぎて、銀行口座の資産は評価益にして半減という状況となりました。
未曾有の危機に、日本顧客担当のプライベートバンカーであるオリバー氏は冷静に、
ここで狼狽売りすることは絶対にしてはならない、
と言い続けておられました。
さすが、百戦錬磨のバンカーですので、オリバー氏の言葉のとおり、数年後には、預けた資金は元通りとなりました。
オリバー氏も、この小さな堅実なプライベートバンクを紹介してくれた若夫婦も、
担当の日本人秘書の方もとても相談しやすくて良い方がたでした。
オリバーさんが年一回の面談の際にくださるスイス菓子は、子供らの大好物で、
クリスマス時期にくださるクリスマスカードは心のこもった美しいもので
E・グツヴィラーと過ごした5年ほどの期間は、かけがえのない楽しいものでした。
しかしながら、数年経ってこう思ってしまったのです。
口座維持費用、高くない…?
続く
素人投資道 その4 スイスプライベートバンク道中記
その後は、プライベートバンクでの口座の開き方を書籍などで調べました。
日本人が海外に口座を開くには、
香港
シンガポール
スイス
などが一般的なようです。
香港は、チャイナリスクあり、
となると、消去法でシンガポールかスイス、
地理の面では、シンガポールは便利だけど、
永世中立国として、欧州の資産を守り続けてきた伝統あるスイスに、
銀行口座を持って見たい…というミーハーな気持ちを抑えることができませんでした。
その際、私の脳裏に、幼い頃の読書体験から刻み込まれた、
ゴルゴ13が、
報酬は、スイスの銀行口座に振り込め…
と依頼者に渋く告げるシーンが再来していたことは否めません…
カッコいいですよね。
素人投資道ー主として共に笑い飛ばしていただきたい失敗談の共有として その3
当時は、失われた30年の只中で、国内金利などゼロどころかマイナスでした。
個別日本株投資で痛い目を見た結果
お金は賢いプロに預けて、自分は本業に専念して、稼いでプロに種銭を送り続けよう、
海外での運用なら年利5%や7%で回っているファンドも珍しくはなく、
為替差損や株式市場の下げすらもヘッジすることもできるようだ。
素敵だ。プロに任せよう。
そのプロは海外のプライベートバンクでなければならない。
各種投資に向けた書籍を読み進めていくうちに、上記のような結論にたどり着いたのでした。
私の勉強不足もあるはずですが、当時は、日本国民が気軽に海外投資ができる環境がないようでした。
今を時めく ネット証券会社の雄
楽天証券及びSBI証券様
も当時は存在せず、
個人投資家が海外に口座を開いて海外ファンドに投資をするには
少なくとも自己責任で、
申し込み書、ファンド解約資料を精査し、トラブル発生時には現地に飛んで対処できるだけの
相当な英語力が必要とされた時代でした。
私にはそれだけの英語力と機動力に自信が持てませんでした。