思うに
オリジナルを超える映画やドラマはほとんどないと思う
少なくとも自分の大好きな映画やドラマでは100%そんな気がする
阿修羅のごとく
NHKのオリジナルドラマを見たのは
まだ小学生の頃だった
既に人間くさいドラマや映画が好きで
およそ子供らしからぬ趣味だったので
このドラマはものすごく印象深かった
大人になってからは
NHKで再放送を録画して何度も見た
最近はNHKオンデマンドで
年に一度くらいは観ている
なので、要所要所の台詞も頭に入っている
リメイク版は
完全に失敗作だと思う
おそらく出来上がった作品を見て
監督は撮り直したいと思ったくらい酷いのではないか
人物設定に何よりも違和感を覚えた
八千草薫が演じた巻子は
普段はおっとりしているけれど、いざという時は、誰よりも芯は強い
その核があってドラマが成立していた
尾野真千子の巻子は
普段から強い女性であり、深みが全くない。
そもそもオリジナル版は
加藤治子、いしだあゆみ、風吹ジュン、緒方拳、宇崎竜童、三條美紀、そしてなんといっても佐分利信
映画史に残る名優や向田作品には欠かせない名優がキャストの大半だった。
もはや演技のレベルが別次元でドラマは成立している
もちろんオリジナルを見ていなければ、そんなことは思わないのだろうけど
思い入れがあるが故に
オリジナルの素晴らしさと比べてしまう
映画化されたときも
劇場に見に行ったけれど、途中で席を立ちたくなった
冗漫過ぎて、演技が大袈裟で
どうにもならない駄作だった
今回のNetflix作品では
何よりも鰻のシーンだ
このシーンは、このドラマの肝だと思っている
オリジナル版で
巻子は
この鰻、誰がお金払ったの?
綱子は
いいじゃない、そんなの
一瞬の沈黙のあと
巻子は鰻重を片手でこれでもかと言うほどに
強く机から払いのける、鰻重は畳まで飛んでいく
Netflix版は
巻子と綱子は、鰻を嬉々として向かい合って食べている
なんだか、このシーンから滲み出る巻子の潔癖さと頑なで強い芯が
全く別のシーンになっていることで
このNetflix版は全くドラマの本質を履き違えていると感じた
人物設定も変えてしまうなら、時代も現代にすればいい
今の世相から不倫はNG、許せない、そんな人で溢れてるわけだから
浮気にもまだ寛容だった昭和ではなく
現代ドラマにした方がよほど良いドラマになったのでは
そして、せめてオリジナル版に出ていた風吹ジュンくらいは母役で出すべきだったのではないか。