RPGと想像力の話 | しかしなんやね

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人生いろいろって訳ですね

RPGにとっての筋肉は想像力じゃないかと思います。

そして想像力という筋肉を鍛え、卓という場を乗り切るのがRPGの醍醐味だと思っておりました。

何処までキャラクターの視点で物事を考え感じ行動して、問題を解決する様を遊ぶものでしたし、旧来のゲーマーはすべからくそんな感じで遊んでおりました。

そしてそのキャラクターの視点で考えたときにその話がどのように転がり結果どうなるか予測し、その場面でどのような台詞を考え発すればその卓は盛り上がるか、というのを考えたものでしたし、またそのようになるべく働きかける事こそプレイヤーとして達振る舞う際の最も楽しい事だと考えておりました。


しかし売るという観点で物事が進んだ場合、その想像力は邪魔になります。

無限の想像力よりこちらの言う事を聞いてもらいたいのです。

自分も長年販売に携わってますから嫌と言うほど解ります。


ですがRPGは昔は想像力を刺激して卓で作り上げる遊びでした。

それがたとえその卓でしか通用しないルールであっても、その卓でOKだったら何とかなりました。

しかし、それじゃぁ商品になりません。


ですので商品にするためにトレーディングカードゲームっぽく、戦闘を技能を組み合わせ面白くし、また台詞を話す場面も確実にそのような振る舞いが可能な場面をシーンというものを利用し機会を均一化して、誰もが過去経験しRPGをやっていて「楽しいなぁ」と感じるであろう事柄を追体験できるようにして、結果誰もが均一に楽しめるものになったと思います。


当然そうすると商品をどのユーザーにどのように売れば効果的に売り上げが伸ばせるか、という商法も立てやすくなります。


当然ルールブックさえ理解しておけば、卓での共通意識も取りやすいですし、卓の運営方法まで書かれておりますから、その通り振る舞えばその通り楽しめるようになります。とても楽です。


後は提供する内容を様々なものを用意すれば良いし、それに引っかかって楽しむユーザーを増やせば、また市場も広がっていくのではと考えます。が、RPGって未だに卓の雰囲気をルールブックなどで完全にコントロール出来ていないのが実情です。ですからやっぱり卓に参加したプレイヤーそしてマスターが卓の雰囲気を決めてしまっており、結果RPGの印象の均一化もまだまだ遠い夢物語になっています。


やはり、RPGは何処まで行っても想像力が働いて、その想像力の不均一が事故に繋がるという目論見は概ねあっている訳です。が、其処で考えるべきなのは他人と自分の想像力が違う発想が違うのだったら、卓の参加者全員で均一化を図るべきじゃないか、という事です。


そしてRPGはそうやって全員の均一化を常に図りながら、与えられた役割を果たすようにキャラクターを動かし、様々な出来事をそのキャラクターの頭で考え感じ行動し、その過程を楽しむものだと言ってしまった方が逆にスッキリすると思うんですよ。ルールブックで卓の座り方とか前の日のコンディションの取り方とか書いている暇があったら。


良い加減ベテランゲーマーが増えているんだから、我々はもう少し敷居を卸して、様々な楽しみ方がある事をプレイヤーに伝えるよう努力しないとなぁ、なんて考える今日この頃です。