ダブルクロス3rdを購入して読んだら、自分のスタイルが古いなと実感した話。 | しかしなんやね

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しかしなんやね-DX3RD



ダブルクロス3rdを購入する。

このゲームはレネゲイドアクションの第三弾であり、自分がかつて知名度を一気に、そうある意味ジェネシフトさせてもらった偉大なゲームだ。


今回は初期キャラクターのエフェクトの選択肢を狭めよりスピーディーに作れるように設計さえており、添付されているシナリオを読み上げるだけで、誰でもリプレイみたいな大活躍を追体験できるようになっているために、FEARが増やしたいユーザーを選別しTRPG市場に取り込みやすく成っているのではないかと思う。


FERAはとても商売上手だ。

彼らは自分たちが売り込みたいターゲット層にピンポイントに作品を作り込み提供し、さらに遊び方とリプレイにより顧客層のRPGを遊ぶスタイルすらコントロールし、そのコントロールされた市場にさらに喜ぶ商品を定期的に提供する事で結果的にRPG業界全体の牽引役として長年にわたって支えてきたと思う。


しかしその思考誘導が、今回露骨だなと思った。

それは、今回のステージという概念である。


この概念はプレイヤー達の知識的な格差を埋める為の処置だと記載されてる。

そしてさらに驚くべき事に、プレイヤー達の想像力の格差を「問題」と処理している。


自分が嗜んだRPGというのは、想像力を駆使してその現場を遊ぶものだと考えていた。

プレイヤー達の無限の発想がその場を盛り上げ、だれも予想だにしなかった様々な出来事が生まれ、それが物語になり、それゆえに思い出深い経験として脳裏に焼き付き、またその思い出とも言えるプレイ経験が結果この遊びの中毒性を引き起こすとばかり思っていた。


しかし、実際にはその想像力には当然格差があると思うが、それは陸上選手の反射神経の違いだったり、スポーツ選手のフィジカルな差だったりと、人間である以上仕方ない差でしかないと思う。


それを、今回このゲームでは、多分主にマーチャンダイズ的な理由で、ばっさりと切り捨て、ステージと称してその想像力すら切り捨てることで、公平な場を設けようとしている。


いやいや、ちょっと待て。

じゃぁ、この遊びは何をさせたいのか・・・あ、そうか、エフェクトの組み合わせの凄さと、最後の戦闘か。


たしかに、コンベンションでプレイヤーとして色々参加したけど、マスターのシナリオそっちのけでコンボデータの組み合わせと戦闘だけに眉間のしわを寄せて頑張るプレイヤーが多くなってきましたからね、だってそれ以外はいわばビジュアルシーン化してますから。


それに自分もマスターした時に初心者の相手していたら急に「何故組み合わせによる戦闘力のバランスを教示しない」と怒られた経験もありますよ、いやそれ以前にこのゲームの雰囲気とかどうやって遊ぶかとか、その辺が大事ちゃうんと当時むしろその怒れるプレイヤーが不思議で成らなかったのですが、色々プレイヤーとして卓に参加して、何故かマスターが一生懸命用意したシナリオを理解しようとせず、ただ戦闘が起きると急に色めき立つプレイヤーが増えたのを観て、確かに自分のプレイスタイルは「古いのか」と思い知らされましたよ、初心者そっちのけで戦闘に狂喜乱舞する他のプレイヤー達を眺めながら。


どうも最近の遊び方は、明らかに分かり易い謎じゃない謎を解いている振りをしながら、介入しても結果意味のないお話を眺め、遊戯王じみた事を叫びながら戦闘をして、最後に途中の自分の行動すら顧みずに妄言を吐いて留飲を卸すのが、今のスタイルなのかな、なんて思いますよ、そりゃマスターの負担倍増で大変ですよ、だってもしかしたら誰も聞いてくれない話を、それでも予告とハンドアウトのために一生懸命こしらえて、戦闘技能しかないシナリオに直接関係ないルールを覚え、マスターしか観ないプレイヤー達の話を聞きながら、ルールを間違えずに行わないと行けないからね、そりゃ最近マスター減りますよ、ほんと、まじで。


RPGやってんだったら、もう少し会話を勉強して世事を勉強してネタを拾って行動しろっての、というのはもうすでに古いスタイルみたいです。


でも、確かに「今」のTRPG市場はとても販売がやりやすい環境になってきました。

しかし、実は今売れ筋のTRPGを嫌う方々も確かに存在し、古い遊び方を好む若い方も増えてきています。

そしてますますコンベンションではその遊び方による棲み分けが色濃くなってきています。


そう、もうTRPGだけでTRPGを語れなくなってきました。

これは「歌が好き」と言っている方のその趣味趣向が千差万別になってきているのと同意語です。


しかし、実はこのダブルクロス3rdは自分が慣れ親しんだ古い遊び方も、「ステージ」の使い方で可能だったりしたのも解りましたので、その辺で今後ある意味制作者や市場の想定外の遊び方をまたやってみようと思います。


さて、シナリオ考えねば。