私は出来るだけ説明をすることで時間を短縮して技を身につけさせたいと思って
指導しているのですが「取手」などは、どうしても相手がいないと練習はできません。
どんなにゆっくりとやって見せても自分で行おうとすると、なかなか出来ないからです。
門弟から「相対稽古をしたのですけど何方かいませんか?」と何度か尋ねられましたが
これは、なかなか難しいことです。
以前、私はT君に取手を教えたときに彼の稽古相手を求めて北中城のN君にお願いしましたが
今は、それが出来ないし相手を選ばないと難しいということを説明しました。
つまり、相手が信頼できる人でないと互いに怪我をする可能性が高いからです。
下手に他流の人と稽古をしようとすると道場やぶり等と間違われますし
「稽古」というのは技の流出にもつながるので簡単に”相手”を決められないのです。
上原先生は朝勇先生に伴われて他の人と手合わせを行っていますが、あれは完全な
”腕試し”で朝勇先生が相手を選んで目の前で練習試合をさせていたのです。
これは素晴らしい稽古方法の一つだと思っています。
つまり、師匠が信頼できるあとくされの無い相手を選んで相手の名誉を傷つけていないからです。
「稽古」は難しい一面が有ります。
相合の性格によっては恨みをかったりエキサイトして怪我をする可能性が有るからです。
しかし、「相手」は必要で、それがなければ上達はしません。
現実(自分の実力)を知るためにも相対稽古は必要不可欠なのです。
門弟の「相対稽古をもっとしたい」という気持ちがよく解るので、なんとかしたいと考えています。