兵庫県公立高校入試分析会に行ってきた！【後編】

豊中校担当の杉谷です。

今回は「兵庫県公立高校入試分析会に行ってきた！」の【後編】です。

【前編】では国語、社会、数学についてでしたが、

『兵庫県公立高校入試分析会に行ってきた！【前編】』

今回は残りの理科、英語についてです

《理科》

平均点は他教科と比べるとかなり低く、３年前でなんとか50点台、この２年は40点台にとどまります

昨年は正答率20％未満の問題が３問となり、また正答率80％以上の問題も５問となったことで、２年前よりは点数が上がりました。難易度自体が変わったこととそもそも語句を答えさせるものがなくなったことによるものかと思われます。

ただ、記号で答える問題が中心の兵庫県の問題ということを考えれば、まだまだ難しいということになります

もちろん、前編での数学同様で、理数系に強い子は推薦入試でほぼ行き先を決めて、この一般入試は受験していないので、理科が得意な子が少なくてこのようになっている…という側面もあります

私が実際に解いた感じでは…

『2023年度公立高校入試を実際に解いてみた！【兵庫県・理科編】』

そこまで難しいとは感じませんでした。ただ、「暗記に頼る子には厳しいだろうな〜」という印象で、初めて見る実験について、何をどうしようとしているのかを理解しないと難しいと感じるのかもしれません。考えること、大切ですよ、

出題内容は上記の通りで、２年前より大問構成が少し変わり、これまで大問１で各分野から小問を１題ずつ出題されていましたが、２年前からこの部分がなくなり、生物・地学・化学・物理が万遍なく出題されます…が、同じ細かい分野からの２年連続の出題はないので、理科に関しては昨年のものよりも２、３年前のものを中心に取り組むと次の入試の出題分野と近しいところの練習になる可能性が高くなります

気をつけたいのは化学分野で、２年前より新学習指導要領になり、そこから新たに加わった「ダニエル電池」そして「イオン化傾向」について、この２年、兵庫県は連続で出題されていません

よって、落ち着いてきた今年あたりは…というところですので、過去問にプラスしてこの分野の練習はしておきたいところです

また昨年より問題文の文章量が増加し、ページ数も増加していますこれもまた新学習指導要領の求めによるものなので、新学習指導要領が今後変わらない限りは、この傾向は続きます。ただ、問題文が長くても、図からわかることや文章で登場する語句が理解できていれば、気にすることはありません教科書レベルの理解をしっかりしておきましょう

《英語》

最後は英語です

少々写りが悪く見にくいですが、過去３年平均点は50点台で大きく変化はしていません。また過去３年正答率20％未満のいわゆる難題とされるのは１問もありません。一方で、正答率80％台の問題も３年前の２問を最高に昨年は０問とみんながとってあたりまえのものもありません。結果、標準的な問題が集まり、平均点もそのあたりで落ち着いています

３年前までは「長文✕２、会話文✕１」でしたが、２年前より「長文✕１、会話文✕２」となっておりますこれも新学習指導要領による「主体的で対話的な学び」に沿ったもので、次年度以降もしばらくは同様の傾向が続くでしょう。

ただし、全体として形式がどうであれ、単語力そして文法が理解できているかどうかです。英語が得意で、英検でもある程度の級を持っているのであれば、特に気にすることはなく、対策というほどの対策も必要ないかもしれません。一方で、苦手な子にはかなりの険しい山となりますが、まずは「はば単」（兵庫県が作成した入試で使われる可能性がある単語集）をとことん答えられるようにしていくことからかと思います

《まとめ》

過去５年の各教科の平均点の推移です

過去５年で見ると、昨年の数学の点数が大きく上がっていること、理科が他教科と比べると５〜10点低いこと、Ｒ２年の社会と国語が低いのが少々目立ちますが、それ以外は安定していることが見てとれます。

特に数学に見られるように、近年全国的にも都市圏においては公立高校入試の難易度が易しくなる傾向にあります。それだけ格差が広がっていて、苦手な子たちの差がつかないことが考えられます。そうなるとさらに考えなくなる子が増えるようには思うのですが…

一方で、地方圏の公立高校入試では、人口減の影響からからなかなかチャレンジングなこれまでの過去問であまり見ないような問題が増えつつあります。攻めすぎて問題としてなものもあるようですが、兵庫県の公立高校入試でいえば推薦入試なんかは各校が独自で作成しますので、地方圏の問題に近いのかもしれません

ということで、２回に渡りお届けいたしましたが、気がつけば11月もまもなく終了し、高校入試受験生には残り３ヶ月前後となりました

短い時間ではありますが、一方でまだ何とでもなる時間でもあるかと思います。今回の記事も参考にしつつ、ぜひ夢や目標に突き進んでください

頑張れ受験生