バッグを盗まれる@アクメルケズ | なっちのあははな日記

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ごく普通の主婦ですが、主人の仕事の都合でイスタンブールで暮らしてます。
主人と娘二人との日記です。

事件が起きたのは、4泊5日のサントリーニ島への旅行から帰った次の日のことでした。

その日、朝から、疲れた体で、旅行の荷物の片付けと洗濯に追われておりました。

夕方、5時50分頃、旅行で空っぽになっていた冷蔵庫に、お野菜や果物、ハムやチーズなどの食材を購入するために、近所のアクメルケズ・ショッピングセンター内にあるマクロセンターに、向かいましたの。

娘をベビーカーに乗せ、コーチの小さなバッグに財布と携帯だけを入れた軽装でした。

6時00分頃、アクメルケズのセキュリーティチェックを受け、ショッピングセンター内に入る。
トルコのショッピングセンターでは、入り口で必ずセキュリティーチェックを受けます。

そのまま、エレベーターに乗り、目的地であるマクロセンターに直行。


6時05分ごろ、アクメルケズ内のスーパー、マクロセンターに入店。

いつものように、ベビーカーに買い物かごをひっかけて、お買いもの。
野菜果物売り場、卵・乳製品売り場、ハム売り場にて、最小限のお買いもの。

6時30分ごろ、レジにて清算に向かう。
この時、店員に、マクロセンター及びミグロスなどの共通ポイントカード「マネー・カード」の提示を求められ、バッグの不在に気づく。


ここまでの時間、およそ、30分ほどなのですが、どうやら、この間に犯行が起きたようなのでございますの。

バッグの不在に、初めは、買い物中にどこかで落としたかと思い、「すぐに見つかる」と思ったのですが、あたくしが通過したはずの売り場を見て回っても、バッグが落ちていない・・・。

マクロセンターの警備員にバッグ紛失の次第を話すと、早急に対応して下さいました。

まず、すべての売り場を目で探す。
ショッピングセンターのセキュリティーチェックポイントでバッグを撮り忘れた可能性も考慮して、すべての入り口の警備員に置き忘れのバッグの有無を確認。
バッグが見つからないことから、マクロセンター入り口の防犯カメラの映像のチェック。

入り口の防犯カメラから、入店時、既に、あたくしがバッグを持っていないことが判明したのが、だいたい7時くらいのことでした。

そこから、犯行は、アクメルケズ入り口からマクロセンター入店までの間に起ったということで、アクメルケズのセキュリティースタッフに、バッグの不在を申し出ました。

バッグの不在に気づいてから、30分以上経過していることに、セキュリティースタッフは難色を示しましたが、早急に入り口にある防犯カメラの映像を確認。
同時に、アクメルケズ内のすべてのセキュリティースタッフに、あたくしの持っていたバッグの特徴を無線で連絡し、捜索開始。
待っている間に、セキュリティの責任者の男性に、バッグの中の貴重品の確認を受け、「トルコの銀行のカードと携帯電話」が入っていたことで、ショッピングセンター内の銀行と携帯電話会社に、盗難の場合の対応について確認。

銀行のカードは、主人の名義なので、主人が電話でカードの効力を停止させること。
携帯電話は、あたくしの名義なのですが、身分証明書を持参しないと、回線を停止できないとのことで、家に戻る。

娘は夕飯の時間になり、お腹がすいた様子だったので、急いで、大きめのおにぎりを1個だけ握って、娘に持たせ、あたくしは、別のバッグに、他のクレジットカードと、パスポートなどを持参して、アクメルケズに戻る。

アクメルケズで、すぐに、セキュリティー担当者に、捜索の結果を聞いたところ。

防犯カメラの映像では、セキュリティーチェック通過後、あたくしが、バッグをベビーカーにひっかけ、エレベーターに向かう映像は確認できたものの、その後の映像は、無いとのことでした。
つまり、アクメルケズには、ショッピングセンターと、それぞれの店舗の入り口には防犯カメラがあるものの、その他の場所で起きた犯行に関しては、カメラが設置されておらず、盗難が起きたにしても、それを追跡することは不可能なようです。
(おそらく、レジ付近にもカメラはあると思われますが、今回の捜索では、レジのカメラは関係なかったので、調べてもらっていません)。

そして、犯行は、アクメルケズの入り口から、マクロセンターに直接向かうまでの、わずか5分くらいの間に起きたということになります。

ここまでのことが判明するのに、バッグの不在に気づいてから、約1時間半弱くらい・・・。
誰かがバッグを盗んだとしたら、簡単には見つからないのは明らかなことで。
あたくしは、あきらめて、携帯電話のSIMカードの再発行をし、マクロセンターのお買い物を、別のカードで済ませ、帰路につきました。


夜、眠りに就き、あたくしが、バッグと財布が見つかる夢を見たことは、言うまでもありません。




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さて、次の朝。

この日は、お手伝いさんがお掃除に来る日。
うちのお手伝いさんの電話に、この日習い事でご一緒する予定だったMさんからの電話があり、あたくしの電話が繋がらないけど、あたくしと話がしたいと言っているとのことで、早速、お手伝いさんの電話から、Mさんに電話。

Mさん曰く、あたくしの電話に電話したところ、知らないトルコ人の男性が出て、「おれの車に、あんたの友達が携帯とバッグを忘れていったので、連絡が欲しい」と言われたとのこと。

すぐに、その男の元にある、自分の携帯電話に、家の電話からかけて、
「あなたの今出たその電話は、あたしのものだけど。一体あなたはどこでそれを入手したの?」と尋ねると。

その男、ボソボソとしゃべる、もの凄く訛りのあるトルコ語で、
「自分はタクシーの運転手だ。
 今朝、車の掃除をしていたら、シートの下にあるバッグを見つけた。
 中を見たら、空っぽの財布と、カードが数枚と、電話が入っていたので、携帯の登録番号から あんたの友達に順番に電話した。
 でも、みんな連絡手段が分からないって…。あんた、昨日、おれのタクシーに乗った?
 どちらにせよ、バッグはあんたに渡すから、どうしたら良い?」
とのこと。

あたくしの住所を伝えたところ、
「じゃあ、これから持ってくるけど、そこまでタクシー代、払ってもらっていい?」
と、しっかり、20TL請求されたものの。

男は約束通り、すぐに持って来てくれて。
うちの団地の警備員が見守る中、無事にバッグを受け取りましたの。
バッグの中身の被害は、ほんとうに現金だけだったので、お礼に20TLと、ほんの少しの心付けを渡しておきました。

渡しながら、「一つ聞きたいことがあるんだけど、昨日、アクメルケズでお客さん乗せた?」と言うと。
「アクメルケズの方面には昨日は来ていないし、たくさん客も載せてるから、誰がどうのって、覚えてない」とのこと。

とりあえず、被害は最小限に抑えられたので、良しなのですが。





日本人駐在員が住むエリアは、トルコ人のお金持ちが住む地域で、まず、簡単には盗難など起きないような場所。
今回、あたくしが行ったショッピングセンターなんて、お客さまのほとんどが、この辺りの住人。
まず、あたくしの持っていた、古ぼけた年代物のバッグなんかに興味のなさそうな方ばかり。


でも、色んな人がいて、きっと、油断したあたくしが、一番悪いのでしょうね。
母が以前に、「人に盗みを働かせることも、罪なの。だから盗まれないように心掛けなさい」と言っていたのを思い出しました。


ベビーカーのハンドルのところにバッグをひっかけて歩いていた、あたくし。
両手でベビーカーを押している限りにおいては、盗まれる瞬間に気づかないなんて、まず、ありえないのですが。
エレベーターのボタンを押す瞬間や、買い物で商品を手に取る瞬間。
あたくしは、幾度となく、ベビーカーのハンドルから手を放す瞬間がありました。

また、この日に限って、小さなハンドバッグを、ちょこんとベビーカーのハンドルにかけただけの状態。
斜め掛けタイプの、体から離れないようなバッグにすれば、こんなことは起きませんでした。

そして、買い物に行った時間帯も、夕方の6時。
昼間であれば、有閑マダムの買い物の時間なので人も少ないのですが、夕方ともなれば、この近辺のお金持ちの家で働く、あらゆる国からの労働者が、このショッピングセンターに買い物に立ち寄り、少しだけ混雑もします。


子連れだというだけで、見る人が見れば、それだけで隙だらけなのかも知れません。
きっと、旅行で疲れて、ぼんやりと買い物していたあたくし、盗むには簡単な相手だったのでしょうね。

とにかく、自己反省。

このブログをご覧になられた方が、あたくしのような過ちを犯さないことを心からお祈りしております。