シェイクスピア劇の本質はやはり「言葉」です。
さりげない言葉やセリフでも高級で、観る側にも力を与えてくれます。
だからこそ、400年も経った今でも
愛されてきたんだと想います。
その一方で、演じる側にとってみたら、シェイクスピア劇はとてつもなく高く険しい山。
シェイクスピアを演じるときは本当に大変で、家に帰ってもセリフのことが頭から離れず、テレビなどの生活音がノイズにしか聞こえなくなることもあります。
役者は、「書かれていること」だけでなく、「書かれていないこと」にまで思いを馳せることができるのかが大切です。
ヘンリー八世は1509年から死去する1547年までイングランド王として在位した実在の人物です。
イングランド史上もっとも悪名高い王として知られています。シェイクスピアって悪者ばかりね
そして男の世継ぎを生めなかったキャサリン妃との離婚問題からバチカンと対立しそのままイギリス国教会を設立したという、イギリスの歴史においても屈指の重大事件を巻き起こした人物でもあります。
『ヘンリー八世』ではそんな彼の離婚問題を中心に王の苦悩と側近たちの栄枯盛衰の物語が語られることになります。
テューダー朝を継いで二十年余り。亡き兄の妻だったキャサリン妃との間に世継ぎがいないことに苦悩するヘンリー八世は、枢機卿主催の晩餐会で若く美しい侍女アンと出会う。一方、宮廷では奸計が渦巻いていた。政敵を追い落として昇りつめた者が、次に追い落とされる―。六度の結婚でも有名な稀代の王をめぐる、シェイクスピア晩年の壮麗な歴史劇。