"Musikfest NARA 2013"の一環として、
奈良ホテル本館1Fロビー「桜の間」にあるアインシュタイン所縁のピアノによる、"Weekend Bar Time"が催されると知ったのが5月半ば。
そこで6/22(土)20:00からの「多川響子によるピアノの夕べ」を予約しました。
その時点では宿泊は別のビジネス系ホテルとするつもりだったのですが、6月に入ってから季刊「草枕」と、
優待宿泊券が奈良ホテルより送られてきて…、
ついつい宿泊も変更。
さて当日、奈良県文化会館での特別展「夢を奏でたワーグナー」を後に、夕刻興福寺境内と、
猿沢池畔を経て、
奈良ホテルへチェックイン。
旅装を解き、
ロビーを覗いて、
メインダイニングルーム「三笠」で夕食を摂り一憩してから、
再びロビーへ。
多川さんについては失礼ながら私は全く知らなかったのですが、ネットで検索してみると…関西を中心に独奏・室内楽双方で活躍されている様子。
そして…受付に何故かN響首席チェロ奏者の藤森さんの写真が載ったチラシが並んで置いてあったので、「?」と思い手に取ってみると…、
今秋京都で藤森さんと多川さんがベートーヴェン/チェロ・ソナタ全曲演奏会(一晩で!)を行うのだとか。
さてプログラムを見てみると、festのパンフレットで事前告知されていた、
ショパン/練習曲変イ長調Op.25-1「エオリアン・ハープ」
バッハ/イタリア協奏曲
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2「月光」
の他には…。
ショパン/ノクターン第20番嬰ハ短調(遺作)
シューマン/幻想小曲集Op.12~第2曲「飛翔」
それに…ん?
私の大好きな、
ブラームス/6つのピアノ曲Op.118~第2曲「間奏曲」イ長調。
内外の著名人が数多く訪れてきた奈良ホテル、音楽家ではプロコフィエフが大正時代に滞在したことがあるのは承知していましたが、メシアンやシュトックハウゼンといった20世紀後半を代表する作曲家迄もがとは知りませんでした。
昨年大がかりな修復作業を経て甦ったとは云え、なにぶんにも100年以上も前に製作されたそれもアップライト・ビアノ、まして音響など考慮に入れられている筈もないホテルのしかも吸音性の高いであろう赤絨毯が敷き詰められたロビーに於いてとあっては、演奏の詳細について云々するのは難しくまた野暮というものでしょうが、ピアノの音色は何か或る種の懐かしさを感じさせ(特にショパン)、また多川さんの演奏も、アンコールのショパン/革命を含め、全般的に音楽への誠実な向き合い方を思わせるものでした。
ところで、ブラームスのOp.118-2…。
この曲に接する度に、とりわけ主部が回帰して直ぐの79小節目の3拍目の"rf"が附された和音へ、果たして晩年のブラームスがどれ程の想いを籠めたのだろうか、そしてそれと同じだけの想いを表現するのに、例えばマーラーならどれだけの楽器と小節数を要しただろうかと、私はつい思ってしまうのです。
今回は6月でしたが、もし仮に晩秋の夜長に同じシチュエーションでこの曲を聴いたとしたら、多分胸が一杯になってしまったのではないだろうかと…。
奈良ホテル本館1Fロビー「桜の間」にあるアインシュタイン所縁のピアノによる、"Weekend Bar Time"が催されると知ったのが5月半ば。
そこで6/22(土)20:00からの「多川響子によるピアノの夕べ」を予約しました。
その時点では宿泊は別のビジネス系ホテルとするつもりだったのですが、6月に入ってから季刊「草枕」と、
優待宿泊券が奈良ホテルより送られてきて…、
ついつい宿泊も変更。
さて当日、奈良県文化会館での特別展「夢を奏でたワーグナー」を後に、夕刻興福寺境内と、
猿沢池畔を経て、
奈良ホテルへチェックイン。
旅装を解き、
ロビーを覗いて、
メインダイニングルーム「三笠」で夕食を摂り一憩してから、
再びロビーへ。
多川さんについては失礼ながら私は全く知らなかったのですが、ネットで検索してみると…関西を中心に独奏・室内楽双方で活躍されている様子。
そして…受付に何故かN響首席チェロ奏者の藤森さんの写真が載ったチラシが並んで置いてあったので、「?」と思い手に取ってみると…、
今秋京都で藤森さんと多川さんがベートーヴェン/チェロ・ソナタ全曲演奏会(一晩で!)を行うのだとか。
さてプログラムを見てみると、festのパンフレットで事前告知されていた、
ショパン/練習曲変イ長調Op.25-1「エオリアン・ハープ」
バッハ/イタリア協奏曲
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2「月光」
の他には…。
ショパン/ノクターン第20番嬰ハ短調(遺作)
シューマン/幻想小曲集Op.12~第2曲「飛翔」
それに…ん?
私の大好きな、
ブラームス/6つのピアノ曲Op.118~第2曲「間奏曲」イ長調。
内外の著名人が数多く訪れてきた奈良ホテル、音楽家ではプロコフィエフが大正時代に滞在したことがあるのは承知していましたが、メシアンやシュトックハウゼンといった20世紀後半を代表する作曲家迄もがとは知りませんでした。
昨年大がかりな修復作業を経て甦ったとは云え、なにぶんにも100年以上も前に製作されたそれもアップライト・ビアノ、まして音響など考慮に入れられている筈もないホテルのしかも吸音性の高いであろう赤絨毯が敷き詰められたロビーに於いてとあっては、演奏の詳細について云々するのは難しくまた野暮というものでしょうが、ピアノの音色は何か或る種の懐かしさを感じさせ(特にショパン)、また多川さんの演奏も、アンコールのショパン/革命を含め、全般的に音楽への誠実な向き合い方を思わせるものでした。
ところで、ブラームスのOp.118-2…。
この曲に接する度に、とりわけ主部が回帰して直ぐの79小節目の3拍目の"rf"が附された和音へ、果たして晩年のブラームスがどれ程の想いを籠めたのだろうか、そしてそれと同じだけの想いを表現するのに、例えばマーラーならどれだけの楽器と小節数を要しただろうかと、私はつい思ってしまうのです。
今回は6月でしたが、もし仮に晩秋の夜長に同じシチュエーションでこの曲を聴いたとしたら、多分胸が一杯になってしまったのではないだろうかと…。