nabisonyoです。
当ブログにお越しいただきありがとうございます。
こちらは『麗~花萌ゆる8人の皇子たち~』の二次小説を書かせていただいています。ドラマのイメージを壊すとご不快の方はこちらでご遠慮ください。お許しいただける方は少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。
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珍しく酒を飲み過ぎたシウンを引っ張り店を出たジフ。二人を追いかけようとしたが、金を払っていないことに気が付いた。レジでクレジットカードを出し、もたつく会計に苛立ちながら店を出れば。そこで見たのはちょうど二人の乗ったタクシーが発進しようとする場面だった。シウンはこちらを向いておらず表情は見えない。そしてジフの肩にもたれているようで、胸がチリッとする。
大学時代から三人でいることが多かったが、それでもシウンは昔からジフを頼っていたように思う。
普段は控えめではあるが、一人暮らしをしていた僕たちが体調を崩すと怒りながらも看病をしに来てくれた。しっかりした人という印象が強いが、シウンは僕には遠慮するがジフに対しては甘えているようで。出会ってしばらくして『あぁ、そうか』とシウンの気持ちに納得していた。だけど二人は付き合うでもなく、結婚するでもなく。ずるずると友人関係を10年以上も続けている。
僕と違い普段はあまり口数が多くないが、今日みたいに潰れかけたシウンを守るような、ここぞという時にカッコ良さを見せるジフ。親友として誇らしいと思う反面。そんな行動ができて羨ましい、と思ってきた。
二人を乗せたタクシーのテールランプが視界から消えると、何も面白くも無いのに『ハッ』と笑うような息を吐く。きっとジフは無事にシウンを送り届けてくれるだろうと、歩くことも億劫で自分もタクシーを捕まえて家へ帰ることにした。
翌朝、目が覚めると6時で。
あまり早い時間には悪いだろうと朝食を食べ、運動をし、時計の針が8時を指したことを確認しスマホを手に取った。休日でも生活のルーティンを変えないシウンならこの時間には起きているだろうと通話記録にある名前をタップする。
すぐにコール音が鳴り始める。だがコール音が続いて応答がないことに昨日の悪酔いを心配した時、『……ゔ―』と明らかに体調が悪そうな声が聞こえてくる。シウンが見せる珍しい態度に頬がゆるんだ。
『大丈夫かい?』
そう声を出そうとした時。
『ケホッ。ケホッ……。『ほら、水』……ありがと、ケホッ』
思わず通話終了のボタンを押した。
あれは、ジフの声だった……。
昨日から?一緒だったのか?
いつから?俺が知らない間に二人はそんな関係になっていたのか?
驚きで思考がまとまらない。ジフとシウンの仲の良さを見てきて、いつかこんなことになるだろうと思っていた。だから喜ぶはずだった。
だが実際は違った。
親友だと思っていた二人に何も教えてもらえなかったという気持ちなのか。よく分からない気持ちが胸を締めている。
ブブブッ。
スマホが震え届いたメッセージを読むと、今日昼食を一緒に取る予定だったコ・ハジンさんからで。仕事の途中で抜けるが、1時少し過ぎるくらいの時間には店に行けると入っていた。
昨日このメッセージを読んでいたら嬉しかったはず。それなのにそんな気持ちになれなず。
「何でだ……?楽しみだったはずなのに」