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ALWAYS 三丁目の夕日

 DVD鑑賞。


 私はこの映画が原作にしている(らしい)西岸良平さんの

「三丁目の夕日」のファンです。

 この映画は、原作とはまったくの別物です。

 原作は、昭和三十年代の風景だけが魅力ではなく、

全体から滲み出す自然なあたたかさやほのぼのした雰囲気

が魅力だと思います。

 この映画にはそれがありません。これ見よがしのノスタル

ジックな風景や、押し付けがましい感動ばかりです。


 だいたい、鈴木社長の短気キャラと茶川先生の若さは、

いくらなんでも原作から乖離しすぎではないでしょうか。

茶川先生は、あの包容力のないキャラでは、少年向け

小説を書けるとは到底思えません。若ければ子供の心

を理解できるというものではないでしょう。


 原作を考えずに映画として評価するとしても、重要な

役どころの鈴木社長と茶川先生の演技がかなり良くない

です(特に茶川先生。大声がわめいているだけな感じ)

 話も、あたたかさや感動にあふれているように見えますが、

押し付けがましさが抜けず、かつ、BGMに頼っています。

セリフに比べBGMの音量が大きいのがよく分かります。

 昭和三十年代の風景の再現が売りだそうですが、

「雰囲気」というか空気感が出ておらず、単に昔の

建物や道具が並んでいるという感じがします。


 個人的には、CGを多用したのなら、登場人物の顔を

すべて原作の口元に変えてほしかったところです。

にっぽん昆虫記

 ビデオ鑑賞。音量を最大にしても、最初の方のセリフが

聞き取りづらかったです。方言のせいもあるのでしょうが。


 全体に、世の中の影の面が、執拗に描かれていた気が

します。主人公の実家の、因習に縛られたドロドロした

雰囲気は、嫌悪感を催すくらいです。父親の葬式で、

食事目当てでやってくる親類もさりげなく描かれます。


 主人公が、売春の世界で、裏切りまでしてのし上がり、

同じく裏切りで没落してゆく様も迫力がありました。

釈放後の主人公が掃除の仕事で疲れたとこぼす

場面など、全盛期と雲泥の差がよく出ています。


 ラストは、この先も主人公たちがしぶとく生き抜いて

ゆくであろうと暗示させていますが、一方で娘との

対決というか決着も見たかった気がします。


 エンドロールで、スタッフも配役もそれぞれ1画面、

かつ五十音順表示というのは、見づらくて困りました。


 

地獄

 ビデオ鑑賞。1999年、石井輝男監督作品。


 冒頭近くとラスト近くで、管楽器の印象的なBGMが流れます。

これはラスベガスのトレジャーアイランドで公演されている

シルクドソレイユの「ミステア」の1曲です。サントラにも

収録されています。念のため、CDの表記を見たら、ミステアの

方が先でした。


 主人公を地獄に案内する兄妹の演技には脱力します。

あと主人公が閻魔大王一行と初めて会う場面は、ぐんぐん

日が暮れていきますね。


 丹波哲郎さんの登場はあまりにも唐突ですが、さすが貫禄

があって、有無を言わせない感があります。斬られる鬼たち

の造形はまたも脱力ですが。

 ラストはもう何が何だか分からない感じです。異次元へ

飛んでしまいそうな気分になります。

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