神道指令を徹底させるため占領軍は、昭和21(1946)年元旦に昭和天皇に迫って、いわゆる「人間宣言」を出させた。
この「人間宣言」という言葉は、マスコミ・歴史家たちが勝手にネーミングしたものである。
実際に天皇により発表されたのは「新日本建設に関する詔書」というもので、詔書では「人間宣言」なる語句は一切使われていない。
これは前年の神道指令を出すときにすでに予定されていたもので、「神道指令」の大前提として、天皇自身に神格を否定させよう「人間宣言」させようとGHQは考えたのだ。
ただしこの詔書を一読すれば明らかだが、昭和天皇の主眼は「五箇条の御誓文」をあらためて国民に示し、日本には独自の民主主義の伝統がある、 ということを思い出させ、日本国民の生きる道を指し示すことだった。
これは前年の神道指令を出すときにすでに予定されていた
ただしこの詔書を一読すれば明らかだが、昭和天皇の主眼
祖父明治天皇が近代日本の国づくりの根本方針として定め
◆新日本建設に関する詔書
(新年ヲ迎フルニ際シ明治天皇ノ五箇條ノ御誓文ノ御趣旨
《現代語訳》
ここに新年を迎える。顧みると、明治天皇は明治の初め国
一、広く議論をし、多くの事を世論に従い決めなければ
一、身分の高い者も低い者も心を一つにして、盛んに国
一、貴族も武士も庶民も、それぞれ志を遂げ、生きる事
一、古くからの悪しき習慣を打ち破り、普遍の正しい道
一、知識を世界に求め、大いに国の基盤となる力を高め
お考えは公明正大であり、何も付け加える事はない。わた
大小の都市の被った戦禍、罹災者の苦しみ、産業の停滞、
そもそも家を愛する心と国を愛する心は、我が国では特に
しかしながら私はあなたたち国民と共にいて、常に利害は
私が任命した政府は国民の試練と苦難とを緩和するため、
一年の計は年頭にあり、私は私が信頼する国民が私とその
















