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ラウンジへ。コーヒーを注文。
ウェイターさんが運んでくる。
本物と寸分たがわない再現度。
コーヒーのいい香りまでしてくるよう。
窓から街並みを見る。
道弦坂をすごいスピードで配達員が下りてくる。
(早そうな自転車使ってる、かっこいいかも)
ガード下から246に抜けていく。
イエローのランボルギーニが現れ、
自転車を追いかけてゆく。
ギリギリいまにもぶつかりそうだ。
ドキドキ。デットヒート。
もつれあいながら青山方面へ。
(おもしろそうだ)
ちょっと追いかけてみよう。
移動、表参道から外苑前へ、
前方から数人の配達員が向かってくる。
ランボルギーニが避ける素振りも見せずに
突っ込んでゆく。
宙に舞う自転車と配達員。
まるでスローモーション。
その中をかっこいい自転車の彼と
車が駆け抜ける。
地面に叩きつけられる配達員、
ばらばらになる、人形みたい。
青山通りのロング直線道路を。
信じられない自転車のスピード。
車を右に左に避けながら、
赤坂見附を左に方向転換。
突然イケボ、
「あいつ、うまいな」
(はっ)
美那が振り返るとイケメン。
(髪型好み、服OK、きっと中身もイケメン)
「......」
「制服かわいいね、よく屋上にいる人でしょう」
「....」
移動、
(人見知り発動)
ヒルズの屋上へ、入道雲。
「ふぅ~」と一呼吸、
ぎりぎりの淵に腰かけた。
霞みかがっている遠く青のコントラスト。
「さがしてるんだね」
よこに少年。
(かわいい、少年使っているのは女子かな)
「何を?」
「カギさ、普通に飛んでもね」
「たとえば?」
「たとえば、3回廻ってワンとか」
ダイブ、
(フン、クソガキ。)
落下途中で移動、ラウンジへ、
窓際の席へ着席、コーヒー注文。
(カギ?)
窓ガラスに映るわたし。
(制服、かわいすぎかも)
ガラスを通して微かに聞こえる街のざわめき。
(カギとは?なにかな)
(と言うか私有名人?やばいかも)
ビルの谷間におとずれる夕闇。
移動、
夜の花園神社。
静寂な空間、気分がいい。
(制作者が意図してそうしているのだろうか)
誰もいない参道をあるいて
本殿へ。
(なにかお告げでもあるかも)
花道通り。でかい看板のホストクラブ、
無料案内所、ラーメン屋さん。
行きかう人達、それぞれ自分の職業のファション。
わたしに誰も気付かない。
(よかった)
ただあてもなく歩いた。
「帰えろっ~と」
窓の外の何時もの繁華街。
家。
明日、学校....