はい、今日はアンネースの話
マシノワ以外で書くことがマイブームとなっていまして
今回はアンネースが生まれるように
なったことについての考察です
第4章 第1節 第2話『見捨てられた楽園』の
書き出しはこのようになっています
遥か昔、建国して間もないノイグラード王国に大きな疫病が襲った。
病にかかった人間はとても人とは思えぬ異質な姿となり、
記憶と理性を失っていた。
疫病は蔓延し、増えていく異質な姿の者達は
王国に大きな混乱を招きはじめた。
危機を感じた王は病人達を悪魔が乗り移った忌むべき魔物とし、
船に乗せて僻地へ隔離することを命じた。
国民の間で魔物狩りと称された疫病人の捕獲が行われ、
疫病人達は次々に港に集められ巨大な船に閉じ込められた。
巨大な船は罵声を浴びながら次々と港町ロロから出航され、
海の彼方へと消え去ると人々は皆大きな歓声を上げた。
こうして、王をはじめこの国の人々は
この忌まわしき疫病の存在を記憶から消し去った。
このノイグラードを襲った疫病、
ドルクマ病についての考察していきたいと思います
まず、名前のドルクマというのは
天体現象が由来になっていると思います
アリア・テ・ラリアでは約70年に一度
『ドルクマの悲嘆日』という謎の天文現象が起こる。
ドルクマと呼ばれている普段は金色に輝く星が
紫色の妖光を放ち始めると、この悲嘆日がはじまるにゃ。
紫色の光は様々な気象現象を誘発し、
大地からは唸り声のような音が響きはじめる。
それはまるで星が嘆いているようにも聞こえるにゃ。
この日、紫色の光を浴びたものは発狂し
魔物のようになると恐れられているので
人々は妖光が入らぬように窓を一切遮断し、
嘆きが終わるまで家にこもりじっとしていなければならない。
ドルクマの悲嘆日、外に出る者は皆無なので
外でどのような事が起きているのか不明である上
そもそも何故このような現象が起こるかは大きな謎とされているにゃ。
ニョアの手記61より
おそらく、太陽の周りを回る小惑星が
70年に一度アリアテラリアに接近して起こすことと思います
しし座流星群が必ずしし座の位置に星を降らせるように
ドルクマの星の位置にその星が現れるのではないでしょうか
このドルクマの悲嘆日は
紫色の輝きが魔物になると信じられていたのと
70年周期の長いスパンで来るので
ドルクマの悲嘆日は科学的に研究するにも
研究できずにいるのも考えられます
魔物になるドルクマの光が
皮膚の腐敗と記憶と理性を失う症状を魔物になると見立てて
ドルクマ病と名前をつけたのでしょう
一方現実の由来はというのは
古代ギリシャから使われたドラクマと思います
ただ、決め手に欠けるので一概にこれ!とは
申し上げられません
なにか由来になりそうなことがありましたら
ご一報のほどよろしくお願いいたしますm(_ _)m
ドルクマ病の症例ついて
リュドミールがこの疾患の例になるので
彼について追ってみてみることにします
健康そのものという頃は
The Epic of Zektbach -PIANO COLLECTION-より
アンネースの日記と呼ばれるCDで聞けることができます
年代としては736年の5月です
一方病に陥ったころと思われるのは737年12月以前
セリオス祭の時にリュドミールが医者のルーヘンに
ドルクマ病の兆候を探られていたので
少なくともこのころには病にかかっていたと思われます
まず初期症状として皮膚の腐敗
リュドミールの場合、顔にこの腐敗がみられるので
マスクで顔を隠していますね
彼のようなハイソサイエティな人がドルクマ病にしていることから
もしかしたら後記する一部の階級というのは
上流階級だったのかもしれません
最後には末端神経を侵しまして、
脳内に到達、死に至ります
この時幻影を見ることがあります
リュドミールの場合アンネースですね
今現在ドルクマ病が治療する方法は
主に二つあることにはあります
一つがルルドの泉を飲むこと
ファラリエンの先祖であるドルクマ病患者が
ルルドの泉を飲んで治ったという伝承からですね
これはリュドミール聞きたがっていたことでもあり
盲目的なものを信じていない彼が
執拗にアンネースを追っかけたのも
不治の病であるドルクマ病に
一部の希望をかけていたからでもあります
病など!
あの赤き宝玉、アポカリプスはリスタチアのひとつ
幼い頃乳母より聞かされた
「楽園の島にアポカリプスは眠る」のだと
奇跡の泉が湧くと言、あの女が滅ぼした島に
・・・全てが終わったら、訪ねてみようか
ただし、ルルドの泉は枯れてしまっているので、
ファラリエンに行ったとしても治る保証はありません
もう一つがルーヘンのドクルマ病特効薬
最近開発されたもので
これによってドルクマ病が治ります
問題はこれを作ったルーヘン
彼は特効薬がありながらも
さんざんリュドミールをもてあそんだ挙句に
銃を突きつけることをしました
なので、薬をもらうのにも一苦労あるかと思います
さて、ドルクマ病の本来の原因は
ニョアの手記43によりますと
疫病の原因は自然のバランスが崩れ、
食物連鎖の上で浄化作用を持つ昆虫が絶滅した事により
一部の階層が日常的に食べていた鳥類に
毒が蓄積されるようになった事であり
疫病人と凶作の関連性は無かった。
とのことです
一言でいえば自然濃縮という現象が起こりました
実際の例に出して書いてみましょう
フグという魚は猛毒のテトロドトキシンを持ちます
これは世界の毒トップ10に入るほど強く
またフグの毒は当たればころっと死んでしまうので
「当たって死ぬもの」ひっかけて、鉄砲という異名を持ちます
元を辿れば毒のある貝や海藻を
その生き物が食べて蓄積していたものです
具体的にその経路を書いてみますと
海洋細菌(毒の作り手)
↓
海底に漂う微生物
↓
ヒトデ、ヒラムシ、貝
↓
フグ
という形でだんだんと毒が濃くなっていきます
フグの体つきが箱型で泳ぎが遅く、
そのままだと海の中で食べてください候といるようなもの
そこで、フグは体に毒を溜めこむようにしました
他の生き物が食べても毒にあたって死んでしまうのを知らしめて
フグ=危ない生き物と思わせるようにして
生きていくようになったわけです
なので、フグの毒の元となる毒を持つ海藻や貝を
ずっと食べさせずに人工的に育てると
毒を持たないフグを育てることも可能です
http://www.fugunoogawa.co.jp/swellfish.html
しかし、この生物濃縮は悪いものだけではありません
魚介類にあるドコサヘキサエン酸(DHA)は
魚介類が海藻類を食べていくことで濃縮されたものです
ちなみにこの生物濃縮によって
記憶障害を起こすドーモイ酸などもありますので
リアルドルクマ病もあり得ます
以上から推測すると
ドルクマ病を起こす毒を持つバクテリアが
元々は浄化する虫によってほとんど食べていて関係なかったのが
その虫がいなくなってしまい
貝などの中間者が食べるようになって
鳥へと毒がたまっていったという流れでしょうね
行きつく先が人なのもまた皮肉と言えば皮肉です
また、いくら病人を集めて一掃したとはいえ
原因が生物濃縮となると
毒は自然と作られ続け、長いスパンを以てしても残ってしまうので
ドルクマ病患者はぼちぼちと
ノイグラード内で出ていたのではないでしょうか?
おそらく、ルーヘンが600年前の病を研究できたのも
この影響が大きいと思います
なお、このような自然の出来事の一部は
カオス理論というもので説明され
その中でバタフライ効果という例えが使われます
Turiiでマルクトがクカルに連れ去られてしまってから
崩れたトゥーリの因果律から
回りまわってこのようなことが起こってしまいましたという話です
日本ではメチル水銀の生物濃縮がおこり
水俣病となって現れました
これが暗にドルクマ病の元ネタとなっているのではないでしょうか
また、病人の隔離の歴史はハンセン病に通ずるものがあります
疫病によって何がもたらされたのかという
歴史を見ていくことも必要ではないでしょうか?
本日はここまで!
病のことだけを集中してみたので
いつもと切り口が違います
ドルクマ病が自然濃縮によって生み出されたと聞くと
日本人固有の自然の間近に存在しているという
考え方からかしれませんが自然と畏敬の念に包まれます
周りの自然を尊ぶ心意気だけは忘れずにいたいものですね