2つの心室と2つの心房、計4つの部屋に別れており、肺に行ってもどってくる肺循環と身体中を廻ってもどってくる体循環がある。
また、肺を出てから身体中に酸素を届け終えるまでの酸素量の多い血液を動脈血、酸素を届け終えて肺にもどってくる血液を静脈血という。
単心室・単心房
名前の通り、心室が1つ、心房が1つの状態。部屋の数が少ないため、動脈血と静脈血が混じり、チアノーゼ反応が出る。
また、通常は右心室と右心房、左心室と左心房の壁にそれぞれ弁がついており血液の逆流を防いでいるが、部屋の数に伴い弁が1つしかないため、共通房室弁とよばれる。
肺動脈閉鎖
心臓から肺に向かう血管を肺動脈といい、その血管が途中で閉鎖している。胎児期は動脈管と呼ばれる血管があるため循環に問題はないが、出生後は閉じてしまうため、シャント(短絡)手術で人工血管をつなげ、動脈管の代わりとしている。
根治手術
シャント手術のみでは体の循環は胎児期と変わらないため、チアノーゼが残る。
そこで、本来
肺→心臓→身体中→心臓→肺→心臓→……
となるはずの循環を、
肺→心臓→身体中→肺→心臓→……
という流れに変えることで動脈血と静脈血が混ざることを防ぎ、チアノーゼをなくすことを目指す。
体循環は上半身と下半身に別れるため、グレン手術により上半身のみ流れを変えたあと、フォンタン手術で下半身の流れも変える。通常、2~3才までにフォンタン手術を実施するが、条件を満たせず実施できない場合もある。
また、本来の循環とは違い、1回の心臓ポンプで血液を身体中にめぐらせるため、疲れやすくなり、運動制限がかかることがある。