ずいぶん前に、雑誌で知った『るきさん」
本屋で見つけて、読みたい本のリストに
入れていたことを思い出した。
ちくま文庫なら図書館にもあるだろうと
検索して借りてみたら、面白かった!
だって高野文子さん。





『るきさん』

高野文子

ちくま文庫


小説ではなく、漫画です。

文庫で漫画はさすがに字が小さくて

読めない字があるときは

家族の老眼鏡を借りて読みました。



主人公は、るきさん


1988年から1992年の雑誌

『Hanako』に掲載されたもの



バブルの片鱗があちこちに


友達のえっちゃんは部屋のインテリアに

こだわり、整理しきれないほど

ブランドの洋服を次々と買い込んでいる。

お正月はスキー、ローンで着物も


それに比べて、るきさんは清々しいぐらい

マイペースだ。

一ヶ月のうち一週間だけ働き

あとは図書館で借りた本を読んだりして

のんびり過ごしている。

おしゃれにも興味はないし

(服はえっちゃんのお下がり)

何事にもこだわらないというか

るきさん流なのだ。


天気の良い日は街中でもスキップしたり

雨で着る服がなくなると

部屋の中でもレインコートを着たりと

少し変わっているけど

なんだか楽しそう。


るきさんは電車に乗る時

体を挟まれることが多い。

踏切を渡る時は

遮断機に頭をぶつける。

それでもいたって冷静なるきさんは

子どもの頃からそうだったからと


ずっと自分のペースで

淡々と生きてきたらしい。


読んでいると、気持ちがほぐれていく。


最後のるきさんの軽やかな決断と行動は

やっぱり、るきさんらしかった。