今年も植えてみたスイートアリッサム
『チボー家の人々』
ロジェ・マルタン・デュ・ガール
山内義雄 訳
白水uブックス
少しずつ読んでいる『チボー家の人々』
やっと8巻目を読み終えました
父と喧嘩をして家を出たまま3年間行方が
わからなかったジャックは、スイスに。
第一次世界大戦前のスイスには
ヨーロッパ各地から社会主義の人々が
集まっていました。
兄アントワーヌと共にパリに戻ったジャック。
死を迎えようとしていた父は
ジャックを認識できたのか。
父の死後、アントワーヌは常に威圧的で
あった父が、若くして亡くなった妻に
向けた手紙の中で惜しむことなく
限りない愛の言葉を綴っていたことを
知ります。父を理解しようとしなかった
後悔と共にある諦め。
父の葬儀を終え、再びスイスに戻る
ジャック。子どもの頃から裕福な家に
生まれ育ったことにある種の罪悪感を
待ち続け、それでもそれに頼って生きて
いかなくてはならない自分の不甲斐なさを
感じていたジャックには、家は相変わらず
居心地の悪いままだ。
戦争はまさに始まろうとしている。
政治家たちは国家の危機だと
国民の不安を煽り、軍備を増強する。
(まるで今のどこかの国のように)
社会主義者たちは、この戦争を阻止する
たまに立ちあがろうとしている。
でもその社会主義者たちも一枚岩では
なく、戦争を好機と捉えるものもいる。
その中で労働者の解放と尊厳のために
立ち向かうジャック。
あなたのこれからが
本当に心配でたまらない。
そして私はいつ読み終えるのだろう