2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。
当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。
お読み頂けたら嬉しいです。
なるさん(主人)会社員
私 パート
たろう(息子)高校生・ラグビー部
ことり(娘)小学生
たろうの学校のラグビーの試合の記事が、地方誌に掲載された。
なるさんは、記事を読み、試合内容がおかしいと、怒り出した
その記事には、ある1人の選手が何人もの相手を交わして、トライを決めたと書いてあった。
事実は、みんなが上手くパスを繋いでいき、ゴール前にいた仲間にパスしてトライした。だ。
その子がトライをした事には変わりないが、まるで、1人の活躍でトライしたかのような書き方に、なるさんは、納得がいかず、何度もビデオを見直し検証。
「おかしい…おかしい…」
と言っていた。
※たろうの試合は、たろうの希望もあり、できる限り撮影している。(動きを確認し次の試合に役立てる為)
ずっと、納得がいかないなるさん。
なんと、新聞社へ電話をすると言う。
記事を書いた記者の方は、お休みで直接、話す事はできなかったが、なるさんは、かすれる声で、一生懸命に記事と、実際の試合運びが違っている事を説明した。
そして
「真実を伝えるべき、新聞社が事実と違う記事を載せては、いけないと思う。まして、子供たちの事なんだから、あの子たちの未来の為に、絶対にそんな事があってはいけないと思う」
と訴えた。
なるさんの言う事が、その記者に、ちゃんと伝わったのかは分からない。
でも、なるさんの言う事は正しいと思うし、臆する事なく、意見できるなるさんを尊敬する。
後日、分かった事だが、記者の方は、当日、同会場で行われていた、様々な学校の試合を見て回っており、試合終了後、勝利した学校のコーチにインタビューをして、それを元に記事を書いたそうだ。
実は今回、記事に載った選手は、ラグビー推薦で、ある大学へ進学できるよう先生が話しを進めていたらしく、その為の記事だったようだ
たろうの話しでは、他の部員たちも、記事の内容に違和感を感じていたそう。
もちろん記事になった子は、何も悪くない。
仲間たちもみな、そう思っている。
でも、そういう事を、大人が、教育という現場で、やってはいけないと思う。