幼稚園の頃アトピー性皮膚炎で悩んでいて
いろいろな病院に通っていました。
ステロイド外用薬をずっと塗っていて、
一番強いステロイド剤でも効かなくなり
全身性紅斑症で来店しました。
患者様と一緒に治療に取り組み、
今ではステロイドをやめることができ、
お酒も飲めるようになりました。
ラジオ番組「自然流スタイル」のパーソナリティを勤めていて、
学会認定の「不妊カウンセラー」「生殖医療相談士」の、
漢方薬剤師_渡邊英俊です。
仙台駅東口で「中医学と西洋医学 自然流薬局」を経営しています。
S様の状況はこうでした。
●男性、身長170cm,体重60kg
●初診は20歳ころ
●症状は「全身性紅皮症(ぜんしんせいこうひしょう)」
●背中、胸部、腹部の紅斑(こうはん)がひどく、ふけのように皮膚がはがれ落ち、掻くと浸出液が出てくる
●最初は幼稚園の頃に皮膚科に行った
●その時に「ステロイド軟膏」をもらって塗った。
●だんだん患部が広がっていき、ステロイド軟膏はずっと塗っていた。
●いろいろな病院に行き、数種類のステロイド軟膏を塗ったが、症状は改善しない
●一番強いステロイド軟膏を塗っていても、皮膚の状態は良くならない。
●ステロイドを休むことになり、皮膚科から自然流薬局を紹介されて来店した
●皮膚科でアレルギーの検査をするというので、その結果を待ってから漢方薬の治療を始める
●2週間後に薬局に来て、ダニ、ほこりに反応が出た。
●皮膚に触れると熱く、皮膚温が高い
●夜がかゆくて眠られない
●大便は軟便
●小便の色は貴色
●皮膚科で長く通っていても皮膚の状態が改善せず、気持ちが沈んでいた
●患者Sさまにどこまで改善することを望むのかを聞くと、
「ステロイド軟膏を使わないようになりたい。そして友人や彼女と食事やお酒を飲めるようになりたい」と言うので、
「脱ステロイドの漢方治療」をやることにした
●ステロイドのリバウンド症状は、全身が真っ赤になる「全身性紅皮症」になりやすいです。
●リバウンドの症状も一度良くなったと思っても、何回も症状がぶり返します。
●ステロイドのリバウンド症状は、今までどのくらい使用期間があるかによって違って来ます。
1年間しか使っていない方と10年間使っていた方は、短い期間しか使わなかった人の方が影響が少ないです。
●このぶり返しは、良くなってからも、不摂生な生活をしていると、突然また真っ赤になりやかゆみ、じゅくじゅくとした皮膚炎になります。
●フケ状になんども皮膚がはがれ落ちてきます。これを「落屑(らくせつ)」と言いますが、朝起きてみると手のひら一杯に出ていることがあります
●パジャマは朝起きると血がついていたり、貴色のかさぶたがでていて、パジャマとくっついている状態
●風に当たると寒気がしたりするので、肌を出さず、長袖を一年中着ていた
●皮膚の症状が気になっていて、いつもストレスを感じている
●皮膚の温度が高い、皮膚が真っ赤であることから、熱を冷ますようにする
●睡眠が良くないので、気持ちよく眠られるようにする
●ステロイドをやめて治療することを望んでいるので、漢方薬を服用するとどの様な順番で改善していくかを説明した
●体質は虚証だが、「先急後緩(せんきゅうこうかん)」で体質改善をすることより、今出ている症状を治すことを最初にする
●春夏秋冬と4つの季節があるので、その季節に合わせた漢方薬を切り替えていく
(夏は熱くなるので、熱を取る漢方薬を中心とする。冬は乾燥するので、乾燥を防ぐような漢方薬をくみいれるなど)
●充分な質の良い睡眠が体質改善に役立つ。そのためには身体が熱くてかゆくて眠れない状態を良くするために、「清熱剤(せいねつざい)」の漢方薬を組み合わせた
●「熱」身体の外に出すには、大便や小便から外に出すので、排便回数や小便回数が増えた。
●皮膚のぐじゅぐじゅを改善するために、水分を体外に出すために、皮膚からの落屑(らくせつ)が多くなるが、最初からこのことを説明していた。
●患者Sさまは「本当に大便や小便が多く出て、体内の熱感が減ってきているのがわかる」と言い、睡眠が楽になったと話していた
●皮膚のぐじゅぐじゅが無くなってくると、一時的にゴワゴワとしてくるが、落屑(らくせつ)によって「自分の身体が一枚一枚脱皮してきて、それで最後に良くなってきていくだろう」と希望が見えてきた
●皮膚の赤さが落ち着いて、赤黒く状態から黒っぽくなってきたので、皮膚に栄養を巡らせるために、血流を良くする漢方薬にだんだんと切り替えていった。
●皮膚がある程度落ち着いてきたので、「美肌の漢方」に切り替えていく。
●皮膚の色が肌色で、弾力がある皮膚にして行くようにする
●ここで第一のテストとして「ビールを飲む」事にチャレンジしてもらう。
最初は体調の良いときに、コップ1杯のビールから始める。
飲んでいる最中、寝ているとき、次の日などに、皮膚の状態がどのようになるか観察してもらう
それで、今の体調でこのくらいの良のビールを飲んでも大丈夫だと自覚してもらう。
↓ ↓ ↓
この「成功体験」を繰り返すことによって、自分の体調と飲食の状態が皮膚に与える影響が分かるようになる
●初来店から、良くなったりぶり返しを繰り返しながら、約10年くらいでステロイド軟膏を全く使わなくなり、多少季節の変わり目で皮膚に症状が出ても、自分の力で治せるようになった。
友人や恋人との食事やお酒も楽しんでいる。
でも疲れたときや寝不足の時には、自分でケアをして無理をしないようにしている
そしてS様から、
「来年になったら一緒にお酒を飲みましょう」
と誘われたのが、
とてもうれしかったです。
Sさん、
アトピー性皮膚炎からの卒業、
本当におめでとうございます。
ボクもとってもうれしいです。
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