夏疾風 EP0 | 潤いと和み。

潤いと和み。

世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
末っ子溺愛中です♥

末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡





「ニノ、いこ!」

力いっぱいの笑顔。
思わずこっちまで笑顔にさせる、そんな人を惹きつける何かを持っている幼なじみのその声に呼ばれるように駆け出した。

お隣さんで育ったオレと潤くんには、近所の公園でいつも遊んでる幼馴染がいる。


「潤、ニノ!」
オレらの名前を呼びながらふにゃっと笑うのは、おーちゃん。3つ年上の大野智。
手を振りながら、まるで催促するみたいにぴょんぴょん跳ねてるのは、まーくん。1つ年上の相葉雅紀。
そして、一番奥にいてオレと潤くんが来るのを待ってるのが翔ちゃん。2つ年上の櫻井翔。

この3人と、同い年のオレと潤くんの5人は、ちっちゃい時からの幼なじみ。
3人が高校生になって、何だか関係性が変わるのかもしれないって思ったけど、結果何も変わらなかった。
今になって思えば、もし変わるのであればおーちゃんが高校生になった時点で何らかの変化があっただろう。

変わったのは制服だけ。
ちっちゃな頃から全然変わらずに今日まできた。

いや、正確に言えば変わってはいるんだ。

だけど、それは本当に些細なもので、例えば制服が変わっただとか、学校が終わる時間が変わっただとか、遊ぶ内容が変わっただとか。
そんな変化でしかない。

その変化は決して居心地の悪いものではなく、むしろその変化も楽しい。
5人だから、なのかもしれない。
潤くんが一緒だから、なのかもしれない。

そんな居心地の良い幼なじみとの関係ではあるけど、オレにはどうしても言えない事がある。
言えない事っていうか、聞けない事。

受験生としての夏休みを迎えて、自分がやらなくちゃいけない事は理解している。
だけど、今ひとつソレに向けてのスイッチが入らない。
原因はわかってるんだ。

志望校が決められない。

それに尽きる。
やらなきゃいけいない事は日々のルーティンとしてやってはいるんだけど、今自分がやってる事とほんの半年先の未来が、どうしてもイコールで繋がらない。

みんな、どうやって高校決めたんだろう。
やりたい事もなくて、拘りもそんなにないオレにとって、本当の意味での人生の岐路。


潤くんはどうなんだろう。
最近では毎晩オレの部屋で漫画読んでるけど。

オレの部屋と潤くんの部屋はちょうどすぐ隣になるようになっていて、夜になるとベランダ伝いにオレの部屋にやってくる。
落ちたら危ないよ!って何度か言ったけど、大丈夫だから!って押し切られて、しょうがなく部屋の掃き出し窓の鍵を開けておくようになった。
いつでも潤くんが来られるように。

そんな潤くんは勉強してるような感じはなくて、ちょっと心配になるくらい。
だからこそ、潤くんにも聞けない。

高校、どこ行くの?

なんて。

おーちゃんとまーくんの学校は結構のんびりした感じの学校みたいで、楽しそう。
翔ちゃんとこの学校は、勉強が大変みたいだけど進学校だから当たり前なんだろうな。

オレ、どうしたらいいんだろうか。
みんな、どうやって高校決めたんだろう。

こんな簡単な事も決められない自分が、何だかすごくダメなヤツに思えて、どうしても口に出せずにいた。
半年先の未来は、そのあとの数年後の未来と地続きになっているからこそ。
どうしても、その数年後のビジョンを思い描けずにいる自分に、ちょっとだけモヤモヤしていた。

今がずっと続けばいいのに。

そんな事を思っていたのに、ある日突然そのモヤモヤがすごく大きくなって目の前に立ちはだかった。

母ちゃんが教えてくれたのは、潤くんの進路についてだった。