うたかたの中で宵待つ。6 | 潤いと和み。

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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。








いつもの時間に目覚めて、ウッドデッキにいるたろうに声を掛ける。

「たろう、おはよう。散歩行こうか。」

俺の言葉にワン!って一吠えするたろうは、待ってましたとばかりにその尻尾を振って嬉しそうにアピールする。
その頭をくしゃくしゃって撫でて。

「ちょっと待ってて。準備するから。」

そう、たろうに声を掛け
リビングのもう一つの窓から、中庭のプールに目をやった。

そこには、ぷかぷかと浮かぶニノがいた。
大野さんが出してきてくれた浮き輪に乗って、ゆらゆらと揺れているニノは、まだ眠ってるみたいで。
その瞳は閉じられたまま。
ガラス越しにそんなニノを見て、その様子が可愛くて。
思わず頬が緩む。


「松潤、おはよう。」

振り返ると、いつもと同じように寝癖のついたその髪をガシガシと掻きながら
起きてきた大野さんと目が合った。

「大野さん、おはよう。」

ふぁ~・・・って大きな欠伸をする大野さんも、俺と同じくガラス越しにニノを見て
その顔を緩める。
きっと、俺もそんな顔してるんだろうなって思うと、何だかちょっと恥ずかしくなる。
それくらい、大野さんがニノを見る顔は甘かった。

「たまには大野さんがたろうの散歩行く?」

大野さんとニノを2人きりにしたくない。
子供じみた独占欲が、そんな言葉になって出た。

「おぅ、たまにはいいかもな。」

答えて、反対側のウッドデッキで待つたろうの元に行く大野さんは、俺の肩をポンってひとつ叩いて。
いつものふにゃって笑顔を見せた。
その笑顔が、何かすごく余裕に見えて。
俺の子供じみた独占欲すらも全部お見通しみたいな気がして、恥ずかしくなる。

大野さん、何か、ごめん。
朝ごはんは大野さんの好きなオムレツにするから。



散歩に出た大野さんを見送って、そっと中庭に続く掃き出しの大きな窓を開けた。
なるべく音を立てないように。
ニノを起こさないように。

その可愛い寝顔を見ていたくて、そっと、そっとプールに浮かぶニノに近づいた。
ぷかぷかと浮き輪に乗って揺れるニノ。
ほんの少し開いたその口元が、安心しきってるみたいで。

・・・うん、やっぱ可愛い。

しゃがんで、膝を抱えて、その寝顔を見ていたけど。
あの茶色の瞳が見たくなって。
プールに手を入れて、掬った水をえいっってニノ目掛けてかけた。

「・・・んっ・・・。」

水が掛かると眉を寄せて。
浮き輪に乗ったニノは、器用に寝返りを打って背を向ける。
今度はその背中に向かって二度、三度と水を掛ければ、やっと起きたのかこちらを睨むみたいな視線を送ってきた。

「おはよ、ニノ。」

少しだけ尖らせた唇が、寝起きの悪さを表してるのか、返事はしてくれなくて。

「怒った?ごめんね。」

その言葉でちょっとは機嫌が治ったのか、こくんと頷いた。




散歩から帰ってきた大野さんと、プールサイドのテーブルに朝食を運び、隣り合わせに座った。
プールにいるニノがよく見える位置だ。

「ねぇ、大野さん。ニノってしゃべれないのかな?」

オムレツを箸で一口大に切り分ける。

「ん、俺も思った。自分の名前もよく聞き取れないくらいだったもんな。」

バジル大盛りのサラダを頬張りながら答える大野さん。
何となく気付いていたその事実が、大野さんの答えで確証に変わった。

「さて、どうしたらいいんだろうね。」

警察に連絡するのも違う気がする。
人魚が迷子になってます、なんて言ったところで信じてもらえないだろうし。

「イルカとかなら、水族館で保護してもらうんだろうけどなぁ。まぁ、しばらくは家のプールで保護って事でいいんじゃねぇの?」

うんって頷いて、それが妥当だと思って。
だけど、何だかちょっとこの生活にワクワクする自分がいた。