お嫌いな方はスルーで。
にのまるを撫でるかずが可愛くてさ。
いつもみたいに頬を撫でて、あーいつもの感触、気持ちいいなぁって思ってたらさ。
そっと、目閉じちゃったから。
それって、
やっぱり、
ねぇ?
そう思って、かずの顔を少し掬ってやると
一度開いた瞼がまたゆっくりと閉じたから。
少しずつ近付いて、もう触れるって時に
『コンコン』
って。
あー!っもう!!
あとちょっとだったのに!
思わず「くそっ!」って溢れたセリフにクスクスと笑うかずが、可愛かったから。
まぁ、いいやって思い直して
ドアの向こうにいる母さんに返事をした。
「もう降りるからー。」
「オヤツ準備しておくからねー♡」
今日はやたら語尾に♡が付いてる気がする母さん。
やっぱりかずが来てくれて嬉しいんだろうなって思うと、オレも嬉しくなった。
「かず、リビングでオヤツ食べて課題しよっか?」
「ん。わかった。」
応えて、手の中のにのまるを枕元のいつもの定位置に戻したかず。
振り向いて、その勢いのまま
きゅっとしがみついてきた。
「じゅんくん・・・。」
緩く抱きとめて、
かずの腰当たりに両手を回した。
「どした?」
急に甘えるみたいな仕草が可愛くて。
胸に埋めた顔。
鼻先にちょうどかずの髪が当たってシャンプーの匂いが擽る。
ぐりぐりって、顔を擦り付けるみたいな仕草は猫みたい。
・・・可愛い。
母さんじゃないけど、気を付けないとオレも語尾に♡が付きそう。
そんなかずを見てると、やっぱり、したくなる。
ちゅう、したい。
だから、せめて。
そう思って、頭のてっぺんにちゅってキスした。
「降りて、たい焼き食べよ。」
二人で課題を持って、部屋を出た。
まだまだ時間はたくさんあるから。
な?かず。