お嫌いな方はスルーで。
「はい、どうぞー。」
じゅんくんが開けてくれたドアの奥に広がる部屋は、じゅんくんっぽいインテリアの部屋。
白と紺で纏められていて、カッコイイ。
「お邪魔します。」
「荷物、とりあえずこっちに置いとこう。」
そう言ってオレの手からバッグを受け取ってベッドの脇に置いてくれた。
「あ・・・アレって・・・。」
枕元に置かれた柴犬のぬいぐるみ。
初めて2人で遊んだ時に、じゅんくんがゲーセンで捕ったヤツだ。
一緒に寝てるんだって思うとちょっと嬉しくて、そのぬいぐるみに手が伸びた。
「にのまる、だっけ?」
手触りのいいぬいぐるみを撫でた。
「うん、かずに似てるだろ?」
「・・・そうかな?」
自分じゃわからないよ?
「触ると気持ちいいトコとか、似てるよ。」
そう言って、オレの頬を撫でるじゅんくん。
じゅんくん、よくオレの顔を、頬を撫でる。
気持ちいいって。
でも、じゅんくんの手も気持ちいいんだよ。
すごく優しく撫でてくれるから。
スリスリって撫でられて、気持ちいいなぁって思わず目を瞑った。
「・・・かず。」
甘いじゅんくんの声に目を開けると
両手で包むようにして少し顔を上げられたから
自然とまた目を閉じた。
ゆっくり近づくじゅんくんの気配。
期待で、ドキドキする。
触れる・・・
その瞬間、
『コンコン』
ドアがノックされた。
「じゅーん!かずくーん!まだぁ?」
ドアの向こうから聞こえてきたのは、じゅんくんのお母さんの声。
「・・・くそっ!」
「ふふ。すごいタイミングだね。」
舌打ちするじゅんくんがおかしくて、何か笑いが出た。