朔夜の月華。52 | 潤いと和み。

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大丈夫な方のみ、お進みください♡

妄想blです。




お嫌いな方はスルーで。






着慣れないスーツを着て、少し髪を整える。

姿見に映る自分の姿を見て、かずさんのことを思い出した。
あの人、家にいる時とスーツの時のギャップが凄かったな。

年上なだけあって着慣れたスーツ。
その所作。

スーツ姿のかずさんも好きだったけど
隣に並ぶのは少し恥ずかしかった。
ベッドの中では従順なのに、そんな時に年の差を感じて。

自分のスーツ姿を見て、そんな事を考える自分にちょっと笑えた。



今日、かずさんが発つ。
本当に俺の手を離す。


しょうがない。
きっと俺じゃダメだったんだ。
恋人と言ってもらえない、その程度の存在じゃかずさんを引き留める事も出来ない。


「・・・よし。」

いつまでもそんな事ばかり考えていても仕方ないから。
靴を履いて玄関を開けようとしたその時。
ポケットのスマホが震えた。


画面を見ると、かずさんからのメッセージ。




ー潤、卒業おめでとう。
    ちゃんと仕事頑張って1人前の男になって。
    俺が好きになったんだから、
    潤はいい男になれるから。
    

それってどうゆう意味?
何度も何度も読み返した。


もしかして、俺の為に手を離した?


確かめたくてかずさんの番号をタップするのに、聞こえてくるのは電源が入っていないというアナウンス。

ちゃんと聞きたい。
教えて欲しい。
かずさんの本当の気持ち。
言葉の意味。
言葉の裏に隠した本当の気持ち。





何も聞かされていなくて、
何時の飛行機かもわからなくて。

きっと、雅紀さんなら知ってるはず。
そう思って、LoveLeafに向かって
走り出していた。

卒業式の事などもう頭になかった。




「雅紀さん!!」

勢いよく開けたドア。
カウンターに座っていた雅紀さんに掴みかかるように詰め寄って。

「かずさん、何時!?」
「潤・・・もう・・・」
「聞かなきゃ!俺、このまま何もわからないまま離れたくない!!」

細い細い蜘蛛の糸のようなその最後の希望を手繰り寄せたくて。

なのに。

「今頃もう空の上だよ。」
「・・・マジで?」
「うん。本当は、今日出発する事も口止めされてたんだ。」

こんな風になったら、潤が可哀想だから。



最後の望みすらも、この手からすり抜けてしまった。