妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
「たまには飲みにおいでよ。」
別れ際にそう言われたけど。
「・・・まだ、行けない。」
そんな返事では雅紀さんに甘え過ぎだとわかっていたけど、それでも言わずにはいられなかった。
「潤、卒業式の日にね、かずが出発するよ。」
「・・・うん。」
「かずの言葉は分かりにくいけど、ホントはすごく素直なんだ。」
「・・・ん。」
「潤は賢いから、わかるよね?」
頭をポンポンと撫でられて、まるで小さな子供に言い聞かせるように言われた。
だけど。
「伝わるように言わなきゃ、意味ないよ。」
折れた心が、そんなひねくれた返事をさせた。
「そこは、かずが子供な部分だよなぁ。」
くふふって、いつものように笑って。
またねって手を振って背中を向けた雅紀さん。
雅紀さんの言葉の意味を、かずさんが俺に言った言葉の意味を考えた。
でも、わからなくて。
隠されたかずさんの本心。
その言葉を選んだ理由。
わからないまま、卒業式の日を迎えた。