朔夜の月華。50 | 潤いと和み。

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妄想blです。





お嫌いな方はスルーで。








それっきり、かずさんに会うことはなかった。

何も考えたくなくて。
打診されていた就職先のバイトを決めて敢えて忙しくした事もあって、かずさんだけじゃなく友達ともほとんど連絡を取らずに過ごした。


起きて、バイトに行って、クタクタになって帰ってきて寝る。


その繰り返し。




部屋の鍵を掛ける時。
返し忘れたあの部屋の鍵に触れる。
その時は心臓を素手で握り潰されるような感覚に襲われる。

それでも、過ぎていく日々が、その痛みも少しずつ忘れさせるようで
いつの間にか気にもならなくなった。



気が付けば、卒業式までもう数日になっていた。




たまたま用事があって立ち寄った大学。
学生課で書類を受け取り、駅まで歩いていると声を掛けられた。

「じゅーんー。」

間延びしたようなその声に振り返る。

「雅紀さん・・・。」

久しぶりに会う雅紀さんは、買い物袋を下げてニコニコ笑って手を振ってた。





せっかくだからお茶でもと誘われて入ったカフェは、いつかかずさんにケーキを買って行った店だった。

何だか、かずさんと過ごした時間が夢だったような、そんな気分になる。

「潤、元気だった?最近全然来ないから。」
「・・・ん。イロイロあってね。」
「そっかぁ。」

それ以上は何も聞かずに、二人でコーヒーを飲んで。
当たり障りのない話をした。


きっと雅紀さんはかずさんとの事を知ってる。
なのに、何も聞かずにいてくれるから
それに甘えた。