花火。60 | 潤いと和み。

潤いと和み。

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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡

妄想blです。





お嫌いな方はスルーで。








二人乗りの自転車で花火が上がる河川敷に着いた。

「じゅんくん、ありがとう。」
「結構人多いな。」

自転車のスタンドをガチャンと立てて、んって差し出された手。

「あ・・・、まだ大丈夫だよ?」

何だか恥ずかしくて。
そんな言葉が出てしまった。
なのに。

「ダメ。オレが嫌だ。」

そう言って手を取られて。

「よしっ。行こ。」

繋いだ手を1度ぎゅっと握って、安心したように笑って手を引いて歩き出した。

「ね、じゅんくん。恥ずかしくない?大丈夫?」
「恥ずかしくない。繋いでないと心配だもん。」
「・・・ん。」


出店の並ぶ通りを端から順番に見て行って、じゅんくんのオススメっていうモノを買って。

あっという間に食べ物で手が塞がった。

「・・・じゅんくん、ホントにこれ全部食べれるの?多くない?」
「大丈夫だろ?半分こするんだし。」

とりあえず食べようって事になって。
じゅんくんが知ってる近くの神社の境内に行った。

「ここ、花火も見えるんだ。」

このままここで花火も見ようって。

横に並んで座って、出店で買ったものを広げる。

「ね、じゅんくん。これなに?」
「箸巻きだよ。知らない?」

それは割り箸にくるりと巻かれたモノで。

「お好み焼きみたいなのだよ。食べてみ。」

はいって差し出されたそれを、ぱくぱくっと1口食べると、ソースと野菜と紅しょうがの味が広がる。

「・・・ん、美味いね。」
「だろ!?これなら片手で食べれるし。」

座ってからも、繋いだ手は離してくれなくて。

「じゅんくん、手離そうか?食べにくくない?」
「・・・やだ。だから、オレにはかずが食べさせてよ。」

いたずらっ子みたいに笑うじゅんくん。
手を離してくれる気はないみたいだから、諦めてたこ焼きを一つ楊枝で刺して、じゅんくんの口元に持って行った。

「・・・熱いよ、気を付けてね。」
「ん・・・。美味い!タコ大きい!」

はふはふしながらたこ焼きを頬張る。


なんか

ずっと笑ってるよね、オレら。

こんなに楽しくて、笑顔を見られる事が嬉しくて。
ホントに最後の思い出に出来るのかな。
そんな事がチラリと胸を過ぎる。

「かず、楽しい?」

急にそう聞かれて、ドキンとした。

「楽しいよ。なんで?」
「何か、上手く言えないけど、少し淋しそうに笑うから。」

胸がぎゅっと掴まれる。
何で気付くのかな・・・。

「楽しいよ。大丈夫。」
「気分悪くなったらすぐ教えて。」
「・・・ん。たぶん大丈夫。ありがとう。」

自分の気持ちを見透かされたのかと思って焦った。


じゅんくんが器用にバッグをくるんと回して、中からスマホを取り出した。

「かず、写真撮ろ?」
「えー!マジで!?」
「かずの母ちゃんに見せといてよ。」

そう言ってスマホを構えるじゅんくん。
いくよーって声と共にカシャリとシャッターの音がして。
繋いだ手を顔の横に持ち上げて写した一枚。

「ちょっと待ってね。」

そう言って、片手で器用にスマホを弄ってるから、隣から覗き込むと、スタンプを使って加工してて。
『BEST  FRIEND!』ってスタンプが加えられたその画像。

「かずにも送るから。」


オレとじゅんくんの思い出の一枚になった。
だけど、『BEST FRIEND!』の文字が
ほんのちょっと淋しかった。