地球に帰還する小惑星探査機「はやぶさ」は13日夜、最後の仕事に挑む。小惑星イトカワの岩石が入っているかもしれないカプセルを、無事に地表に届けることだ。人類が他天体の表面から物質を持ち帰るのは、米・旧ソ連の「月の石」以来で、小惑星からは初めて。過去最速級のスピードで大気圏に突入するカプセルには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の創意工夫が詰まっている。

【写真付き関連記事】はやぶさ君:人気加速 13日に地球帰還

 はやぶさは13日午後8時ごろ(日本時間)、地球から4万キロでカプセルを分離する。カプセルは直径約40センチ、重さ約17キロで「ふたをした中華鍋」のような形。分離後、地球の引力で加速され、秒速12キロで大気圏(高度200キロ)に突入する。東京-新大阪間をわずか約45秒で移動できるスピードは、彗星(すいせい)のちりを持ち帰った米探査機「スターダスト」(06年)並みだ。

 大気圏突入時、カプセルは最高1万~2万度の空気に包まれる。単位面積当たりの加熱効果は米スペースシャトルの地球帰還時の約30倍。カプセル開発に携わった山田哲哉JAXA准教授は「過酷な環境を克服するため選ばれたのが『自分を犠牲にして中身を守る』手法」と説明する。

 カプセル表面の材質は、高温と衝撃に強い炭素繊維強化プラスチック(厚さ平均3センチ)。高温になると内層が徐々に溶けてガスが発生し、外にもれ出してカプセルを包み込む。その結果、カプセル表面は最高約3000度、内部は50度以下に抑えられる。

 高度約10キロでパラシュートが開き、カプセルは秒速10メートルまで減速してオーストラリア南部ウーメラ砂漠に着地する。明るい流れ星のように夜空に描く光跡と、カプセルが発する電波を頼りに着地地点を推定し、捜索隊が夜明けとともに探索を始める。山田准教授は「残された使命を成功させ、カプセルを地球に無事に届けたい」と話す。【永山悦子】

【関連ニュース】
【関連連載】はやぶさの贈り物:2010年・宇宙の旅/1 仕事なく自暴自棄…「不死鳥」と出会い
【関連連載】はやぶさの贈り物:2010年・宇宙の旅/2 かなたの小惑星で岩石採取
<関連記事>小惑星探査機:「はやぶさ」、13日に豪へ 予定軌道到達
【写真特集】日本の主な宇宙開発 ISSなど

村井・長野県知事の心変わりでリニア新幹線Bルートの夢潰える?(産経新聞)
9%→52%、無党派層の内閣支持率が急上昇(読売新聞)
毎日新聞世論調査 菅内閣の支持率が66%の高率に(毎日新聞)
北沢防衛相 普天間移設、「沖縄の理解が先決」(産経新聞)
相撲協会、木瀬親方の暴力団交際を認める 琴光喜の野球賭博は「聞いてない」(産経新聞)