「怒り」^・ω・^ | ゆにふぉーむ屋さんのぶろぐ^・ω・^
映画「怒り」を見てきました^・ω・^
公開前からSNSで度々話題になっていたので、特別好きな俳優さんが出ていたわけではないのですが
予告などから感じる仄暗い雰囲気が気になって見に行ってきました^・ω・^

すごく重苦しいお話でしたが、見に行ってよかったと心の底から感じる作品でした。

八王子の閑静な住宅街で起こった、猟奇的とも感じる殺人事件の現場検証から始まるお話。
その犯人は整形し、1年以上逃亡をしているという。
そして東京、千葉、沖縄で、身元が不明な三人の男が、三者三様の人間関係を築いていく。
犯人は一体誰なのか、というミステリーと、疑われる三人の男と深く関わっていく人々の人間ドラマです。

三つの場所でのお話が代わる代わる語られていくのですが
お話の変わるタイミングもとても良くて、ずっと画面に釘付けになります。
この作品を通じて痛感するのは、「人を信じることの難しさ」でした。
信じなきゃ、救えない。信じたら、裏切られる。
両極端な真実と葛藤が入り混じっていて、胸が締め付けられました。

PG12とは思えないくらい、衝撃的なシーンもいくつかあって、
人によっては嫌悪感を感じたり、目を覆いたくなる人もいるかもしれません。
というか、沖縄でのあのシーンはかなりキツいし、
フィクションとは言え未だに思い出してしんどくなります。きっと女性は特に。
作品としてはすごく良かったと思ったけれど、かなり人を選ぶ作品なのかな、と思います。

見終わって残るのは、爽快感や幸せな気持ちではありません。
切ない、苦しい、悔しい、報われない、悲しい。
そんな感情がぐちゃぐちゃになって混ざりあったものが、心に淀んでいる感じ。
後味が良いか悪いか、の二択だけで言うなら、悪いです。
でも、テーマや疑問が投げっぱなしになっているとか、そういう悪さではなく、
衝撃が強すぎて受け止めらきれなくて、すっきり出来ない心地悪さ。
人を信じるとはどういうことなのか、問いかけられているような気にさえなって
帰った後、夜も遅いのにしばらく寝付けませんでした。

レイトショーで2時間半、途中眠くなるかなーなんて思ったのですが、
全くそんなことはなく、次へ次へと展開の気になるお話でした。
一緒に見に行った伯母は洋画派なんですが、
「邦画でもこんなに良い作品があるのね」と言っていました^・ω・^誘ってよかったー。

好きなシーンは、綾野剛演じる直人がコンビニ弁当持ってよたよた歩いてるシーンです。
この映画で唯一癒やされた気がするし、優馬(妻夫木聡)の気持ちになれました。
宣伝の段階で大々的に言われていますが、2人はゲイカップルという役柄なので
そういう描写が苦手な方は特にご注意ください。かなり濃厚です。

ミステリー部分では、色んな面からこいつが犯人か…!?と思わせるリードがあり
あまりミステリー慣れしていない私はまんまと騙されました(;´∀`)
後々考えると、ああこれは◯◯だったんだな、とか、
上手いこと作られてるな~と思いました笑
ミステリーがお好きな方には、ひょっとしたら少々物足りないかもしれません。
物語の本質的に「犯人」や「殺人事件の動機」はさほど重要じゃない気もするので…。

あと!音楽が坂本龍一さんだったのですが、
この映画の雰囲気を悲しく綺麗に彩る素敵な音楽でした。
映画の演出における音楽の大切さを改めて感じました。


もう一度見たいかと言われると、正直見たくないって思うんですが
「すごくよかった!!!」と声を大にして言いたい映画です。
でも、色んな人にはおすすめできない、もどかしい作品でもあります。
映画がお好きな方には是非見ていただきたいです^・ω・^

市内ではテアトルサンクで上映しています(「・ω・)「


「怒り」



原作:吉田修一「怒り」(中央公論新社刊)
出演:渡辺謙、宮崎あおい、妻夫木聡、広瀬すず、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、佐久本宝、ピエール瀧、三浦貴大、高畑充希、原日出子、池脇千鶴
http://www.ikari-movie.com/