関西のネタ番組で見たのが笑い飯の漫才との出会いで、そのときはまだ「ダブルボケ」というキャッチフレーズばなく、テンポ感も今一つでまだまだ粗削りな出来だった。
鮮烈な印象を得たのはやはり2003年の第3回M-1グランプリ。最終決戦では優勝したフットボールアワーとは1票差でホントに惜しかった。「国立奈良民族博物館」「ええ土です」のネタは何回も見て、すっかり虜に。
そこから毎年M-1グランプリを見るのが恒例に。第2回から第10回まで連続9回の決勝進出を誇る。お笑いファンとして見ていたわけだが、笑い飯が優勝するまでは…との思いもあった。2009年(第9回)の1回目のネタ「鳥人」は1パターンをひたすらストロークする完成度の高いネタだった(紳助が100点を入れた)が、2本目のネタがハマらず優勝出来ず…2010年(第10回)の最終決戦はスリムクラブとの壮絶な競り合いで、優勝が決まった瞬間思わず「獲った!」と叫んでしまったのを覚えている。
2010年に発売されたDVD…漫才コンプリート「ご飯」、シュールなコント集「パン」も繰り返し見ている。
スタイルとしてダブル「ボケ」ばかりがクローズアップされるが、よく考えるとやすしきよしも明確なボケ・ツッコミの区別はなく、演者両方がボケるパターンはこれまでもあったような気はする。新しかったのはそれを一回一回忠実に交代してやるスタイルだったことと、それぞれのツッコミも面白かったことではないか「ダブルボケ」というよりは「ダブルツッコミ」)。
M-1グランプリでは優勝したものの、正直そこから大きな飛躍はなく、かつてのライバルの千鳥、麒麟川島明らに大きく水を開けられてはいるが(鬼越トマホークに「お前らギリ売れてないからな!」と喝破された)、最近では西田さんが「IPPONグランプリ」で優勝するなどじわじわと活躍の場も増えてきている。
哲夫さんの仏教活動は一本芯の通ったものであり、般若心経の本は四国遍路の旅の準備で読んだりもした。
ゴールデンでレギュラーを持つような活躍はなかなか期待できないものの、今ぐらいの露出を継続してもらえれば、ファン冥利に尽きるといったところか。



