司馬遼太郎11 | Review

Review

エンターテイメント評論(本、映像、音楽、お笑い…)



大河ドラマにもなった山内一豊とその妻千代の物語。


主君の秀吉の栄達とともに、自身も長浜城主、掛川城主と出世していく。クライマックスは石田三成からの書状を封を開けずに徳川家康に差し出す場面と、小山評定で自らの城を空け渡すと宣言する場面。確かにこれは「絵」になる。


その後土佐一国を任されるも、元々長宗我部氏が支配していた土地を治めるのに苦労するというストーリー。


終始趨勢を読み夫をリードしているのは妻の千代で、夫を自分の作品と表現しているところが、司馬遼太郎の独特の業と言える


高知に行ってみて思ったのは、「長宗我部」の名が冠せられているお店が目についたこと。「竜馬がゆく」でも描かれているが、江戸時代の殿様山内氏が生んだ上士と郷士いう身分差は、土佐の地に重いしこりとなっているのか…