泣けました(´;ω;`)
良かったら読んで下さい。
語り
「会話」
(心、回想など)
[ラジオ、テレビ]
—場面—
{効果音}
これはねぇ…
怖い話じゃないんだ
でもね
彼にとっては
とてもとても
慰められた出来事だと思うんです
そんなお話…
—玄関—
シュウ「エリ!?」
エリ「あ シュウちゃん」
シュウ「なんでこんなとこ座ってんだよ
中入ってればいいのに」
エリ「鍵 ウチに忘れちゃって
夕焼けきれいだったし
このまま待っててもいいかなぁって思って」
シュウ「はぁ!?」
シュウ「連絡くれればもっと急いで帰ってきたのに」
エリ「それも可哀相だと思ったんだもん」
—部屋—
「ごはん作るから先にお風呂入っておいでよ」
シュウ「うん」
—お風呂場—
シュウ(エリも仕事あるし
こっちに通うのもけっこう大変だよな…)
付き合い始めて2年のふたり
シュウ(いっそここに一緒に…)
(て 俺から言ったら
まるでプロポーズじゃないか…)
休みが合わない分
こうしてエリさんが
夕飯なんか作りに来てくれることが多かったんですね
—部屋—
エリ「簡単でごめんね」
シュウ「いや美味いよこれ!」
エリ「シソ入れてみたんだよ」
エリ「あ 忘れるとこだった」
ラジオ[今日も聞いてくれてるかな
Qのジオ・ラジオ]
エリさん
気に入ってるラジオ番組があってね
時々ふたりで聞いたりしてたんですよ
シュウ「今日泊まってく?」
エリ「うん」
シュウ「…
なぁ…しょっちゅうこっちに通うの大変だろ?
なんなら…」
エリ「ん?」
シュウ「いや…」
エリ「くす そうだなー
ここから会社に通っちゃった方が早いかもね」
シュウ「そうだよな
ここからのが近いし」
ラジオ[それでは次のリクエスト…]
エリ「シュウちゃん
この前のカレー小分けして冷凍しちゃったからねー」
「ごはんは炊けてるから
お腹空いたらチンして食べてねー」
シュウ「んー…」
その日はシュウさんが遅番でね
エリさんが先に家を出ることになってたんだ
シュウ「エリ」
エリ「うん?」
シュウ「今日もさ帰ってこいよな」
エリ「うん」
—外—
エリ{ピ・ 送信中}
—部屋—
{チーン}
テレビ[次のニュースです]
エリ(ウチのカレーはジャガイモ入れないから冷凍しても美味しいんだよ

)
シュウ(ジャガイモの無いカレーなんてありえないと思ったもんだけどなぁ
今はすっかりこっちの方がカレーって気がする…ふしぎだ)
テレビ[今日 午前8時頃
トラックがバスの列に突っ込み多数の死傷者が出ました現場は…]
シュウ(あれ…この近所だ)
テレビ[死亡した方はホンダカツジさん58歳
ヌマタエリさん24歳]
{カラン}
シュウ「エリ……?」
—葬式場—
シュウジさん
不思議と涙が出なかったそうです
ショックが大きすぎたんでしょうね
遺体は損傷が激しいということで
見せてはもらえませんでした
やけに現実味が無い中で
遺影で笑ってるエリさんの笑顔だけをずっと見つめていたそうです
—部屋—
シュウ(ジャガイモの無いカレー…)
何日たってもね
全部 夢なんじゃないか
今にもエリさんが買い物袋を持ってドアを開けるんじゃないか…
冷凍のカレーが最後のひと皿になっても
シュウジさんはまだそんな気持ちだったそうです
{フッ…}
そんな時
シュウ(エリの香水…!?)
ふっと
香ったそうです
彼女の香水の匂い
シュウ「エリ…!?」
ザ・ザザ・・
ラジオ[今日も聞いてくれてるかな
Qのジオ・ラジオ]
シュウ(エリの好きだった番組
タイマー?
いや
いつもエリが自分でつけてたはず…)
ラジオ[それじゃあ次のリクエスト
ラジオネーム"いとしのエリ"さんからシュウジさんへ
誕生日プレゼントにこの曲をリクエスト]
シュウ(!
誕生日…
そうだ…今日は俺の…
これは…
エリのリクエストだ)
ラジオ[残してゆく君へ]
唄(ありがとう
かけがえのない想い
離れていても心は寄りそうから
きっときっと
前に向かって歩きだそう)
ラジオ[シュウジさんに"いとしのエリ"さんからメッセージ
(「お誕生日おめでとうシュウちゃん
大好きだよ」)]
[ふたりも
この曲のように遠距離恋愛中なのかな?
離れていても彼女のメッセージちゃんと伝わったよね]
[それでは次のリクエスト…]
シュウ「エリ……!」
シュウジさん
そこで始めてもう本当に彼女はいないんだなって思ったんだそうです
あとてラジオ局に問い合わせてみたところ
そのリクエストはエリさんが事故にあった日の朝にメールで届いてたものでした
死者からのリクエスト…
それは優しい誕生日のプレゼントでした—