◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆

 

第一期から断続的に楽しんでいる「女房気分de書写」。

現在は

『栄花物語』を読み、巻一から順にひとつずつ好きな場面を書写

という形で一人密かに進行中です。

 

本日は、巻三十をご紹介いたします。

 

先日ご紹介したように、すでに全巻書写を終えて製本までしているので、これからあと十巻、毎週金曜日にUPする予定です。



巻三十「つるのはやし」:道長往生の夢

 

万寿四年(1027)10月~長元元年(1028)2月。
阿弥陀堂に移った藤原道長は、臨終念仏に専心しながらの最期を迎えた。道長薨去の前後を描いた巻。嫡男の藤原頼通により遺産処理が行われた。道長の遺言としては、長女の藤原彰子は高陽院に、頼通は土御門邸に移ること、また禎子内親王(亡き次女・妍子が生んだ三条天皇皇女)を疎略に扱わぬように、ということ程度であった。道長と同日、藤原行成も急逝し、遺された藤原公任と藤原斉信は歌を詠みかわした。


 

道長の死後、娘の中宮・藤原威子の見た夢の話を選びました。夢では、道長が下品下生に生まれ変わっているといい、中宮には信じられない。ただ、子息らは、下品下生とはいえ極楽往生を遂げたのは尊いことで、喜ばしいと述べています。また、養子・三井の入道中将(源成信、倫子の甥にあたる)も、道長の生前に下品下生往生の夢を見ており、中宮の夢により確信に到ったと言っています。


「下品下生」のとらえ方が個人で異なることが面白いですね。ここまで道長を絶賛してきて、「下品下生」というのも興味深いと思いました。
 

 

 

 

 

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