◆◆◆くじょう みやび日録 第二期◆◆◆
第一期から断続的に楽しんでいる「女房気分de書写」。
現在は
『栄花物語』を読み、巻一から順にひとつずつ好きな場面を書写
という形で一人密かに進行中です。
本日は、巻十八をご紹介いたします。
◆巻十八「たまのうてな」:公任・定頼父子、亡き姫君を思う哀傷歌
治安2年(1022)8月~同3年3月。
中心記事は、尼たちによる法成寺の案内。法成寺を讃える描写の中に、「たまのうてな」の語があらわれる。末尾に少しだけ編年体の記事が載り、締めくくりに藤原公任・定頼父子が登場する。
延々と道長らの仏事善行やその見事さを描写する一巻ですが……
選んだのは末尾の記事、巻十六で亡くなった公任の中姫への哀傷歌。
長谷寺を訪れた公任は、亡き娘を思い、息子の定頼と歌を詠みかわす。
この中姫は、公任の亡姉・遵子が大切にしていた大事な娘。彼女に先立たれた悲しみとともに、父子がともに名歌人であることも思わせます。
☆使用テキスト