日曜夜8時、NHK大河ドラマは毎週見ることにしています。


しかし、今年の『江』。いかなキャラ読み好きの私としても、どうも微妙です……


毎週、突っ込みどころ満載で、それを楽しんではいます。


ことごとくがラブ要素で、しかもえらい古典的。

たとえていえば、

 ☆朝、遅刻しそう! 食パンを口にくわえながら、あわてて走って角を曲がると……あらら運命の人とぶつかった恋の矢

 ☆牛乳びんの黒ブチめがねをかけていて暗い私。でもめがねをはずすと実は……超かわいいドキドキ運命の人もひと目惚れ!

くらいの雰囲気でしょうか。

笑えるけど、見ていて恥ずかしいです……大河ドラマですからね……


秀吉がやたらと江に信長様をフラッシュバックさせたり、過剰な演出(しかもワンパターン)が繰り返されたり、というのもうっとうしいです。


江もねぇ……篤姫で味を占めたのだろうけれど、ちょっと自己主張が強すぎ。


前回の、利休さまの蟄居先に変装して押しかけるというのも(^^; しかもお供にエグザイル。

このドラマの秀次は、見事な愚物といった感じの描かれ方だけれど、前回はその秀次が江に「なんでも思い通りになると思うな」みたいなことを言ったのですよ。「そうだそうだ!」と、思わず共感してしまいました(笑)



まあ、そんなときは……

お江を「バッツさん」と呼んであげましょう。ちょっと可愛くなってきます。

出典は、またかの『殿といっしょ』第6巻です。新発売ですー!

なんでそういうことになってるのかとか詳細は省きますが(笑)、真田昌幸と幸村にそう呼ばれてます。


 昌幸:じゃあ“バツ三のゴウ”ってことで

 お江:それは絶っ対ヤです!!!そもそも私バツ三じゃないですっっ

 幸村:じゃあグッと親しみをこめて“バッツさん”は?

 お江:もう私の名前何も入ってませんけど そう呼ばれるのはヤですっっ


(なのに次のコマでは昌幸が「さてバッツさん」と呼びかけている) [100頁]


「とのいつ」の江は、父の長政似で、すべてを悲観的に考えて泣き叫ぶキャラです(こんな説明でいいのか?)。



江は今回、大河でとりあげられましたが、本当にドラマチックな人生を歩んだ女性ですね。

二度の落城、二度の結婚(バツ三ではなく、バツ二です!!)を経て最後は将軍の妻となり、両親を殺した秀吉の子を産んだ実姉とは敵同士となった末、義父と夫に姉と甥を殺され、子どもをたくさん産んで、子どもたちは将軍となりさらには帝の母となり……

トラウマと栄華を極めたような人生です。


いろんな江が描かれました。

☆永井路子『乱紋』

http://mediamarker.net/u/n-kujoh/?asin=4167200074

おっとりして流されているようで、でも芯の強いごうです。三姉妹(とくに茶々×初)の陰湿なバトルは見もの。

☆諸田玲子『美女いくさ』

http://mediamarker.net/u/n-kujoh/?asin=4120039757

情念を感じさせるたたかう女。佐治一成との激しい愛もクライマックスのひとつ。

☆フジテレビドラマ『大奥 第一章』

http://mediamarker.net/u/n-kujoh/?asin=B0007LOYHM

ふく(春日局)を描いたドラマなので、母としての乳母ふくとのバトル描写が主。高島礼子様で妖艶!


私の古文書の先生(菅野俊輔先生)が言っていたのですが、江の諡号は「崇源院」。諡号に「崇」が付く*、ということは。恨みをふくんで亡くなった、もしくはそう思われることがあったのでは、と。

もしかしたら、原因はわかりませんが、そのような認識が当時あったのかも。否定はできません。想像力の広がる話です。


 *「崇峻」、「崇道」(=早良親王)、「崇徳」どいった、祟り神になるような死に方をした天皇へは、「祟(たた)る」に通じる「崇(あが)める」の字を諡号につかう。



☆追加あり。



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