形の自主稽古の際、交叉立ちのクオリティを意識している人がおり、冒頭、そこに特化してアドバイス | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 ある火曜日のお話です。

 

 研究稽古の日ですから、そのテーマで行なうわけですが、通常は「(かた)」の分解・解説や「変手法(へんしゅうほう)」などが中心になります。

 

 もっとも、「変手法」については先日の稽古で一通り終了しましたので、この日からは「投げの形 十五構(なげのかた じゅうごこう)」になりましたが、その話は後日になります。

 

 稽古前、出席者各自で自分が気になることを自主的に行なっているシーンを散見する研究稽古の様子ですが、この日は先日来やっている「転身(てんしん)」という「形」で気になるところがある人がおり、さかんにその動作を繰り返していました

 

 稽古の性格上、そういうところは見逃さないようにしており、状況によってはそれをテーマにして行なうことがあり、実際この日の第1部としてタイトルある箇所について特化して行ないました

 

 その後、本来のパターンとして「形」の分解・解釈、最後に前述した「投げの形」の稽古という流れになりました。

 

 今日はタイトルの様に結果的に第1部として行なったところの話になりますが、立ち方ということで他の稽古にも通じる大切な部分であり、武技としての質的向上を意図して何度も繰り返し行ないました

 

 もちろん、それに連動した武技そのものについても稽古しましたが、今日はそういうところのお話になります。

 

 

 今日の話のテーマになった個所ですが、上の写真のシーンです。

 

 ご覧の様に交叉立ち(こうさだち)」になり、「中段裏拳打ち(ちゅうだんうらけんうち)」を行なっているシーンです。

 

 稽古している道場生の動きを見ていると、全体的に今一つしっくりきていない様子が感じられ、それは見ている私も同様でした。

 

 一般稽古としてはともかく、細かなところにこだわる研究稽古の場合、その様と頃にメスを入れていくわけですから、この日は予定を変更し、この点をクローズアップしたわけです。

 

 ここではポイントを2つに分け、その一つが「交叉立ち」のところでした。

 

 立ち方は武技の基礎になるところであり、他の「形」でも多用されることですから、ここで認識をしっかりしてもらい、そのことを他の稽古の際にも活用してもらおうとしたわけです。

 

 では、ここで何が気になったかということですが、前足の膝関節の様子でした。

 

 上の写真では前足の膝の角度がちゃんと取れていますが、気になったのはこの部分が変に緊張しているような感じで伸びており、土台としての要素の一つ、堅牢性に問題があるような状態だったのです。

交叉立ち

 イラストで説明しますが、前足の状態としてはつま先が外側を向くことになります。

 

 膝関節はそれに連動することになりますが、イラストからお分かりのように、その向きはほぼ同じになります。

 

 でも、問題の様子はここに微妙な捻じれがあり、膝とつま先の向きのズレがあり、それが関係しているのか膝関節が変に伸びているわけです。

 

 当然、奥足と連動して行なうべき膝の締めも不十分で、そのことを理解してもらうため、軽く腰を押すと脆く崩れます

 

 しかし、前足の膝の角度とそれに合わせた奥足の状態を変えてもらうと、先ほどの脆さが無くなりました。基底面積は立ち方のフォームからくるところはあるものの、土台として役割はしっかり果たせるようになったのです。

 

 こういうところは本人が自覚しなければ直らないところですが、だからこそビフォー・アフターの違いを実感しもらい、そこから自身の武技としての質の向上を目指してもらいます

 

 前述の問題点がある場合、正面から立ち方を観察すると、膝関節の内側の向きに問題を感じることになりますが、こういうところは股関節や膝関節の柔軟性とも関連があります。

 

 逆に言うと、正しい立ち方を意識することでそういう箇所の柔軟性の確保にもプラスになるということですが、一般的なストレッチの意識ではなかなか解消しにくいことであり、武術的な動きに関して「形」で鍛錬する、ということの大切さを実感させられます。

 

 こういうところから、「形」には武術体を作る意味がある、ということをこのブログでも再三説いているわけですが、実際にこういうところを経験すると頭でも身体でも理解できた、ということになるのではないかと考えています。

 

 

 今回の稽古でのもう一つのポイントは、上に2枚連続でアップした「中段裏拳打ち」の箇所でした。

 

 技の軌跡が分かるよう、2枚の写真を続けてアップしましたが、この技では裏拳(うらけん)」が顔面の前を通り、床に対してほぼ垂直に動くようにします。

 

 便宜上、写真1と写真2としますが、1から2のところは肘関節を伸展することになります。この箇所はそれなりに早く動かせますが、写真1の状態にするまでが遅くなる傾向があります。

 

 武技としてはこの2つの箇所は合わせて一つの動作ですから、いずれかが遅いということは全体的にも遅い感じの技になることになり、実戦で用いるという前提に立てば、そのような個所をいかに改善するかが大切になります。

 

 こういうところは見本として見てもらった上でそれを真似てもらうようにしていますが、どう見えているかで出来上がりが違ってきます

 

 冒頭で説明した「交叉立ち」の場合もそうですが、こういう時は鏡の前に並んで立ち、同じ視点で動きを模倣してもらうようにしています。

 

 それでもなかなか最初はうまく行きませんが、何度もやることで少しずつ好転してきます。

 

 他にもありましたが、個人的なところでしたので、ブログでは割愛します。

 

 稽古はこの後「形」の分解・解説になりましたが、今回は鎮東(ちんとう)」がテーマになりました。

 

 

 

 

 

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