新刊「北斗神拳の謎に迫る」では掲載されていない武器術のことを写真と共に少しお話しします | 中山隆嗣の「活殺自在」

中山隆嗣の「活殺自在」

武道と癒しを中心に、生き方、日々のことを綴ります。

 今日の話は稽古のことではありません。

 

 私の新刊「北斗神拳の謎に迫る」(BABジャパン)に掲載される写真撮影の際、他に数枚撮っていただきました

 

 その時からしばらく経ちますが、せっかくの画像ですからブログにアップし、関連する話を綴っていきたいと思います。

 

 いつものブログよりも短くなると思いますが、今日アップする以外の写真もありますので、後日、改めて続きを書きたいと思います。

 

 タイトルから今日は武器術のことだけお分かりになります。

 

 時間の関係からなかなか武器の用法について稽古する時間がありませんが、千唐流の基本的な武器術に対する考え方は「(かた)」をベースにします。

 

 それは具体的な武器の「形」ということではなく、通常の稽古で行なっている「形」に各種武器の特性を活かした動作を言います。

 

 もちろん、武器独自の「形」も存在しますが、武器を手足の延長と位置付ける考えからのことなのです。

 

 時間や道場生のレベル、興味の方向なども関係するため、道場ではあまり稽古しておらず、やっても基本が主となります。

 

 これまでのブログではその一部について綴ったことがありますが、今日は3枚の写真をベースに話を進めます。

 

 

 空手で稽古する武器術のベースは棒術です。

 

 六尺棒が基本になりますので、子供の場合、身長との関係で難しくなります

 

 短い棒を使うこともできますが、それでは杖術のような感じになりますし、もっと短い棒を2本用いる海外の武術もあります。

 

 そういうことを考えると、ある程度大人の身体であることが一つの条件になりますが、武術体をある程度作り上げた上で武器を用いる、ということが合理的に感じます。

 

 もっとも、あえて武器を持つことで負荷をかけ、それによって武術体を練る、という考え方も存在します。こういうところは基本となる考え方の相違ということになるでしょうが、実戦の場ということを前提にすれば、日常的に武器を携帯するということは難しいところがありますので、まずは素手で対応する技術の習得を意識したほうが効率的と考えます。

 

 上の写真の場合、「受け」とも見えますし、上段に対する「突き」にも見えます。

 

 それそれの用法で実際の操作は異なりますが、素手による身体操作がベースになります。

 

 そういう動きができるからこそ武器にも芯が通ることになり、重い技になるわけです。

 

 細かなポイントについては技ごとにありますが、素手による稽古で意識したことがこういうところでも活用されることになります。

 

 

 今度はです。

 

 これは金属製の武器で、両手に持つことになります。

 

 その形状は上の写真の前手をご覧になればお分かりになると思いますが、一般に知られている十手にも似ています

 

 もちろん、現実の形状や用法も全く異なりますので、十手とは違いますし、一方で受け、他方で攻撃したりすることもできます

 

 稽古で用いる釵は先端が丸くなっていますが、本当の武器として用いる場合は尖らせますし、左右に広がっている「(よく)」と呼ばれる部分の先端も同様です。

 

 この形状からもお分かりのように、殺傷能力が高い武器と言えるだけに、どこまで教えるかは人を見て、ということが必要になります。

 

 それは冒頭の棒も同様で、素材を含め、武技として意識する場合、その質感は異なってきます

 

 

 武器術として意識する場合、武器対武器という設定も必要ですし、そういう場合のポイントも理解しておく必要がります。

 

 上の写真はトンファー、という場合を示していますが、ここでも一方で受け、他方で反撃している、という様子が写っています。

 

 トンファーという武器は木製で、写真のような形状になります。

 

 突いたり打ったりしますが、回旋させることができますので、間合いを錯覚させることも可能ですし、遠心力を活用することで威力をアップさせることになります。

 

 上の写真の場合、左側で剣を受け、右側を地面と水平に振り動かし、相手の頭部の側方から攻撃している様子です。

 

 実際の戦いでは相手の武器の特性を理解の上で対応することが大切で、この部分が欠落していれば自身の不利を招く可能性が高くなりますので、稽古の時はそういったことも含めて行なうことが大切です。

 

 ですから、カタチや手順だけを覚えてもあまり意味がなく、そのような意識は武術の形骸化につながります。

 

 例えば上の写真でお話ししますと、受けている側に注目してください。

 

 剣のどの部位が接触しているかということに注目しなければなりませんが、柄に近い部分であることがお分かりになると思います。

 

 そこには複数の意味があり、一つは剣とトンファーの間合いの問題があります。

 

 一般的に剣のほうが長くなりますので、ある程度間合いを詰める必要があります。上の写真をご覧いただければお分かりのように、もし両者の間がもう少し離れていれば、反撃が届いていな可能性があります。

 

 また、剣が効果を発揮するのが、切っ先から3分の1くらいまで、ということになりますので、先端に近いほうが接触部位になることで不利になりやすくなります

 

 それに対して柄に近い箇所が接触部位になれば、剣の勢いも弱くなりますので、「受け」としても効果を得やすくなります

 

 ただ、そういう理はあっても、相手が白刃の剣の場合、足がすくんでしまい、素早い踏み込みができるかどうかは別問題です。

 

 そう言った精神面での鍛錬もセットで考えなくてはならないことが武器術には存在します。

 

 その点は素手による武術の場合も同様なのですが、互いに武器を持っている場合、そのプレッシャーは格段に違います

 

 武器術を武術として意識した上で稽古する場合、こういうところも織り込んだ上で行なうことが望ましいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

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