1月9日、熊本市にある藤崎八幡宮にて奉納演武が行なわれました。
昔、私が熊本に住んでいた頃にも行なわれていましたが、当時は関心が無く、今回ちょうど良いタイミングで拝見することができました。
実際に行なわれるのは弓道の演武になりますが、日置流道雪派の師範によります。
伺った話によると、同派の宗家が藤崎八幡宮の宮司でもある、ということであり、実際に射るのは同派の会長以下5名の師範です。
関係者の方に伺ったのですが、今回は神事ということであり、その作法に従って行なわれるということでした。そのため、流儀としてのやり方とは少し齟齬がある、ということでした。奉納演武という性質上、その点は仕方ないけれど、という話をされていました。
奉納演武前に射者の方たちと宮司の方たちが対面されている様子です。
これも神事としての奉納演武の一連の流れなのかもしれませんが、その内容については予備知識が無いため、具体的なことは分かりません。
ただ、見ているとこの状態にも何らかの意味があるような感じでしたが、詳細は不明です。
しばらくすると太鼓が登場し、冒頭の写真の状態のシーンで打ち鳴らされます。
先ほどの状態は静寂の時間でしたが、ここでは太鼓の音が響く分、動的な感じでした。
この後、ここに並んでいた方たちは順に列をなして拝殿に移動され、一連の儀式が行なわれました。
ただ、その様子は拝殿の中でなければ分かりませんが、入ることができなかったため詳細は不明です。祝詞奏上などのことが行なわれたものと思われます。
そしていよいよ矢を射ることになるわけですが、今回の弓太郎である同派会長の方が口上を述べることになります。
その際、座礼をされている様子が上の写真になりますが、こういう雰囲気は伝統ある武術の独特の緊張感となります。
今回の演武について事前に資料をいただいていたので弓太郎といった単語が出せたのですが、無かったらそういうところは不明のままでした。
上の写真は弓太郎の方が実際に射るところです。
最も緊張する場面ですが、立ち姿は極まっています。
精神を集中させ、矢が放たれます。
矢のサイズとスピードの為、軌跡を目で追うことはできません。
しかし、その結果を知りたいため私の目線は的のほうを向きます。
ただ、その結果を撮るかどうかは別の問題になります。今回の場合は真ん中の円の中ではありましたが、ど真ん中というわけではありませんでした。
射者1人当たり2本ずつ射るため、全部で10本の矢が放たれることになります。
その中にはほぼど真ん中ということが複数回あり、そのうちの一つが上の写真のケースです。
その時、見ている人たちから一斉に拍手がありましたが、弓道というのは明確に結果が出て、そのことは全員が確認できます。いろいろな条件から、たとえ高段者でも外すこともあるでしょうし、そういう意味では大変シビアと言えます。
このことを改めて感じさせてくれた演武でした。