火曜日の稽古の話です。
この日はアメリカ千唐会で稽古している3名が短期入門され、一緒に汗を流しました。先生から東京に行くならこちらで稽古するようにと言われていたようで、そういうお話しは嬉しい限りです。
駅の改札口で待ち合わせをし、道すがらいろいろなお話をしつつ道場に向かいました。
同時に稽古メニューを考えていました。
今週末には昇級審査を控え、また月内に都大会もあります。
その対策稽古も行なっている関係で、上手くプランを練らなければ充実した稽古はできないと思いつつ歩いていましたが、幸いこの日の出席者の顔ぶれを見ると、指導できるレベルの人が複数いましたので、いろいろ協力してもらいつつ進めることができました。
でも、最初はゲストの3名の実力を見るために基本稽古を行ないました。
今日のブログはその話ですが、スタートは定番通り「突き」からです。
ただ、その話は今までの話と似たようなものになりますので、今日は「蹴り」に特化してお話しします。
まずは説明をあまりせずに数をこなし、その時の様子を見た上でアドバイスすることにしました。
まずは定番の「前蹴り(まえげり)」です。
蹴り足のコースや指の反らし、膝のコントロールなどに注意して観察しますが、概ねOKです。
帯は全員黄色帯なので、そのランクであればという条件ではということになりますが、一生懸命やっている様子には共感が持てます。
もっとも、数をこなす内に少しずつ乱れが生じてきましたが、これは疲れからくるものでしょう。その点は目をつむり、稽古を続けました。
続いて行なったのが「足刀横蹴り(そくとうよこげり)」です。
最初に行なった「前蹴り」の場合は「正整立ち(せいさんだち)」によるものでしたが、「足刀横蹴り」の場合は、イラストのように「平行立ち(へいこうだち)」で行ないました。
左右交互に蹴る、という場合もありますが、この日は左右それぞれ規定回数ずつ蹴りました。
「前蹴り」の場合は比較的バランスが取れていたのですが、「足刀横蹴り」になると左右の「蹴り」の質に違いがある人が出てきました。右側の「蹴り」については3人中一番良かったのですが、左になるとフォームが崩れ、逆に一番乱れていた、という人がいたのです。
もしかすると身体の歪みがあるのかもしれませんが、それを確認・対処するだけの時間はありませんでした。この時期でなければ何とか時間を作っていたところであり、それこそ活殺自在の実際を体験してほしかったところですが、ちょっと残念でした。
再び「正整立ち」になり、今度は「回し蹴り(まわしげり)」を行ないました。
直真塾の場合、レベルに応じて教える内容を違えており、「回し蹴り」の場合は明確にそれを実践しています。
具体的には初学者については、「背足(はいそく)」で蹴るようにしてもらい、蹴り足の軌跡も「三日月蹴り(みかづきげり)」に近くなります。
練度が上がり、きちんと自分の足をコントロールできるようになった時点で上足底を接触部位とし、「蹴り」の軌跡も上のイラストのようにします。
直真塾でこのような内容で教えるのは初学者の怪我防止を意識してのことですが、この部分は「回し蹴り」の数稽古が一通り終わったところで説明しました。
その上で「前蹴り」と「回し蹴り」が同質の技であり、だからこそ本来の「回し蹴り」は上足底で行なうものである、ということも説明しました。
最後が「後蹴り(うしろげり)」です。
ここではイラストのようにまた「平行立ち」から行ないます。
この「蹴り」については左右交互に蹴ってもらいましたが、数をこなす内に身体の中心軸の保持が関係してるのか、だんだん乱れてきます。
これは武術体作り、身体意識の練り方の問題になり、意識して数をこなす中で身に付けていくべきところです。
初回の稽古だけで伝えられることではないので、今後の精進に期待したいところです。
技としてアドバイスしたところとして、接触部位のことがありました。
「後蹴り」の場合、かかとを意識してもらいますが、その意識が希薄で、足首が伸び、かかと以外の部位で当てているような感じになっている人がいました。
骨盤と股関節の解剖学的な関係も含め、適切なつま先の向きなどとも絡め、かかとをいかに張り出し、その部位を意識して蹴ることができるか、ということをイメージして行なうことの大切さを説明しました。
「蹴り」の稽古はこのような感じで終わり、次は複数のグループを作り、それぞれのテーマで稽古することにしました。
そこまでお話しすると長くなりますので、今日はここまでにしたいと思います。
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