もともと英語の“modify”には「飾る」という意味はありません。
なぜ「修飾する」という誤った表現が生まれ、バイオの分野で使用されているのか?
それは英語文法の“modifier”に日本語の「修飾語」という言葉を当てたことが原因だと思うのです。
“modifier”は、AHDの定義としては“limits or qualifies”なので、「修飾語」ではなく「限定詞」とした方が意味的には正しいと言えます。
しかし、日本語の文法で同じ役割をするのは「修飾語」だ。
さあ困った!どうしよう?仕方ないから「修飾語」でいいだろ?・・・
いつしか「修飾」という言葉は、“modify”と「修飾語」の意味に汚染され、本来の漢字の意味からは想像もつかない、全く違う意味を持つようになってしまいました!チャンチャン♪
さらに、辞書に載っているからって理系の人が安直に「修飾」なんて言葉を当てはめて使用したから、間違った意味が定着しちゃったのでしょう。
「飾る」っていう意味も「限定する」ていう意味もないよね?
https://kotobank.jp/word/%E5%8C%96%E5%AD%A6%E4%BF%AE%E9%A3%BE-677191
かがく‐しゅうしょく〔クワガクシウシヨク〕【化学修飾】
たんぱく質 やDNA などの生体高分子 に含まれる特定の官能基 を化学的に変化させて、活性や反応性などの機能を変化させること。追記:
「修飾語」という言葉は明治初期に学校文法を規定する際に造られた造語なのかもしれません。
「連用修飾語」は「補充成分」(文の根幹を成す要素、英文法における目的語、補語など)と「修飾成分」(重要でない副詞)に分けられ、
「連体修飾語」は、「規定語」と呼ぶ人もいるようです。
中国語では「定語」というので、modifierは「規定語」とするのがふさわしく(これで三言語で一貫します)、連用修飾語の方のみを「修飾語」としてはっきりと区別するべきだったのではないでしょうか?そうすれば「修飾」という言葉の意味に「規定語」の働きが混じることはなかったはずですし、英文法との整合性も取れます。どちらにも「修飾」という言葉を使ったのがそもそもの誤りだったのです。「修飾」も入れ子構造になってしまっています。英文法の目的語は日本語では「対象語」または「補語」になるのでさらにややこしい・・・
modifierを「規定語」として、「修飾語」という言葉をなくしてしまうと、連用規定語(補充成分+修飾成分?)と連体規定語(つまり非限定の連体形容詞)でいいんじゃないでしょうか?