宇佐氏・・・ その弐 | 天空の鷹 (URIEL)

天空の鷹 (URIEL)

天と地の和合を祈り、陰と陽の調和を願う・・・。
 
天地に、きゆらかすは、さゆらかす
  神我がも、神こそは、きねきこゆ、きゆらかす
神の御息吹、天のみあらし、地のまくしき、
  きゆらかす・・・

【古代豪族】 宇佐氏より。 つづき・・・


宇佐は菟狭・宇沙とも記す。
宇佐氏を語る時、総ての系図に出てくる重要人物は宇佐津彦・宇佐津媛である。
この人物は記紀の神武東征伝に登場する人物で、宇佐国の国造祖となっている。ところがこれ以降の宇佐氏系図上の人物は、記紀には全く記事が出てこないのである。これは何を物語っているのであろうか。その最大の原因は九州の豊前国に限定された地方豪族であったことにあるだろう。宇佐氏は系図上からいえば天皇家と同じく現在にまで続く古い氏族である。

宇佐津彦の出自は、高皇産霊尊(高魂尊)系の天神系神別氏族と考えられている。
ところが宇佐古伝の中で宇佐公康は宇佐氏の始祖神は「高魂尊」であり、氏神は「月読尊」であると記している。

ホツマ伝も似たような系図が記されている。一般的には月読尊には子孫はないとされている。
現在も月読尊を祭神とする月読神社が、数は少ないが日本各地にある。宇佐氏と月読尊は普通の関係ではない。謎である。一般的に月神と月読尊は区別されているので注意がいる。

もう一つ筆者が疑問に思っていることがある。宇佐氏と宗像三女神の関係である。
ホツマ伝及び宇佐古伝には宇佐津彦の母系祖先として三女神が関係している。
日本書紀の神代の記事の中に三女神が「宇佐嶋」に天降ったというのがある。

この三女神とは素戔嗚尊の娘とされている市杵嶋姫・湍津姫・田霧姫である。

この宇佐嶋に関しては古来色々議論があったらしい。
ここでは豊前国宇佐郷にある御許(おもと)山(大元山・馬城峰)に比定する説を採用したい。標高647mで、頂上には3柱の巨石があり磐座として

古来宇佐氏の聖地とされてきたところである。ここには宇佐明神・比売大神が祀られてあるとされている。
一方宇佐氏の祖は、高魂尊(たかたまのみこと)の子供とも孫ともされる天三降尊であるという説もある。

宇佐家系図では、この天三降尊と三女神を同一神視している。
ところで上記「宇佐明神」とは誰のことか。通常の文献ではどこにも記されていない。ところが前述の宇佐古伝には次ぎのように記してある。

憧賢木厳之御魂(ツキサカキイヅノミタマ)こそ宇佐明神だと。この神は天之御中主神直属の原始太陽神だとしてある。この御魂は天疎向津比売命(アマザカルムカツヒメ)または天照大日霊?貴命(アマテラスオオヒルメムチ)天照大御神の荒魂である。としている。