歴史の陰に秦氏の謎 その参 | 天空の鷹 (URIEL)

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天と地の和合を祈り、陰と陽の調和を願う・・・。
 
天地に、きゆらかすは、さゆらかす
  神我がも、神こそは、きねきこゆ、きゆらかす
神の御息吹、天のみあらし、地のまくしき、
  きゆらかす・・・

「琵琶湖」

日本列島の中央に、ひときわ大きな湖がある。琵琶湖だ。ある中国人が日来日したとき、琵琶湖を見て、日本にも大きな川があるじゃないかといったとか。対岸がかすんで見えないという意味で、琵琶湖は日本一の川ではなく、湖である。

琵琶湖の名称は、形が琵琶に似ていたのが由来であるという。琵琶というと、果実のビワよろしく、水滴のような形を連想してしまいがちだが、楽器という意味からすれば、これはハープである。弦楽器は世界中に多いが、琵琶はアジア的なハープといっていい。
琵琶湖はハープ湖なのである。

ハープの湖などと表現すると、途端に幻想的なイメージが広がるが、まさに琵琶湖は神秘的な湖である。
琵琶湖の周辺は古代からひとつの王国を築いてきた。大和岩雄氏は、もうひとつの秦王国と称したほど、そこには渡来人が数多く居住した。
もちろん、メインは秦氏である。日本史上に名を残す近江商人とは、何を隠そう、彼らは秦氏なのだ。
現代財閥はもちろん、かの西武グループも、そのルーツは近江にある。彼らは秦氏の末裔なのである。

ご存知のように秦氏はユダヤ人原始キリスト教徒である。ユダヤ人が経済界に厳然たる力をもっているように、秦氏の末裔もまた、日本の経済界の基盤を築いている。これはけっして偶然ではない。
とくに、秦氏が築いた都、平安京は極東エルサレムである。先日、世にでた共著『失われた極東エルサレム「平安京」の謎』で示したように、平安京=京都はある意味、今も日本の首都であり、極東エルサレムなのである。
パレスチナの聖地エルサレムの東北に、ガリラヤ湖がある。イエス・キリストが12使徒を任命し、最初に宣教を開始した地である。そのガリラヤ湖はヘブライ語で「ヤーム・キネレット」という。意味は「ハープの湖」である。まさに、琵琶湖とまったく同じ意味をもつ湖なのである。その琵琶湖もまた、極東エルサレムから見れば東北にある。

平安京を築いたユダヤ人原始キリスト教徒の秦氏たちが琵琶湖を意識しなかったはずはない。恐らく平安京を建設する以前から、湖の名をハープの湖と呼んでいたのではないだろうか。ユダヤ人にとって、ハープといえば、イコール、ダビデの象徴である。『旧約聖書』を読んでいただくとわかるが、ダビデはハープの名手。ハープを奏でることはメシアの証でもあった。その旋律は平和のしらべなのだ。
いい換えれば、ハープの湖と呼ばれたガリラヤ湖であったからこそ、イエス・キリストは、そこで宣教を開始したのである。
琵琶湖にも、ひょっとしたら、そんな歴史があったのではないだろうか。

琵琶湖の東側には、湯次神社と証する社がいくつかある。湯次とは弓月君のこと。秦氏を率いてきた首長、弓月君を祀った神社である。
はたして、彼らの伝道の拠点が琵琶湖が初めだったかはわからぬが、首長の名を冠した神社を建立したあたり、そこにはイエス・キリストの足跡に対するこだわりがあったのではないだろうか。
弓月君の読み方には「ユンズ」君がある。ユンズがユズ、イズ、イシュ、ヨシュアという転訛の流れがある。古代の秦氏は、それを理解したうえで、意図的に湯次神社を建立したのではないだろうか。

三神たける