うどん県の夜(東かがわ市→さぬき市) | 日本一周(分割)自転車紀行

日本一周(分割)自転車紀行

2010年、MR4F(折りたたみ自転車)で突然西へ。
東海道、山陽道、山陰道を駆ける。

そして2年後、再び自転車に跨る…

ただし、自転車走行ではなく自転車旅行。
観光も食事も目的だし、宿泊はホテル。
普段は自転車に乗らない。

これでも日本一周できる…のか?

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海沿いの国道11号を西に走る。

間もなくJR高徳線が左に合流し、
ここからは線路と一緒に走ることになる。


結局、鉄道が走っていなかったのは
鳴門市の北東部だけだ。

これまで鉄道が走っていなかったのは
南西の足摺岬、南東の室戸岬、そして北東の鳴門市。

要は四国の鉄道は端まで行かずに、
緩く楕円を描いているということなのだろう。


左手に引田(ひけた)駅が見える。

小さい駅舎の前には女子高生が何人か立っており、
迎えを待っている。

これまでも何度か見た光景だが、
確かに女子高生が歩いて帰るには暗いし、
そもそも駅から家も遠いのだろう。

毎日送迎をする親も大変である。


駅舎には喫茶店が併設されており多少気になるが、
先を急ぐことにする。


しばらく走ると東かがわ市の中心街へ。

そろそろ今日の最終旅程について
考えることにする。


現在、時刻は20時40分。

そして今日の目的地の高松駅までは35km程度。
既にホテルも高松駅近くに取っている。

だいぶ遅くはなっているものの、
高松のお店は比較的遅くまで開いており、
まだ焦る時間ではない。

ただ、訪れたい観光地が
高松駅の手前にあるのが問題だ。


しかも場所が複数に渡っているため
自転車は必須。

つまり今日高松駅まで行くと、
明日戻る必要が出てきてしまう。

スムーズに旅程が進み早い時間にたどり着ければ
今日のうちに観光でき問題なかったのだが、
日々の旅程の遅れの影響で生じた大きな問題である。


そこで今日は観光地の手前の駅に自転車を置き、
いったん電車で高松駅へと向かう。

そして明日電車で戻ってきて、
自転車で走るのが最もいい方法だろう。


電車を使うのは今回もう何度も経験しており、
抵抗感がなくなっているというのもある。

結果的に自転車で回れれば、
途中でどう電車を使おうが問題ない。

それが僕の分割自転車旅行なのである。


そうなると、どこで電車に乗るかが重要だ。

あまりに手前すぎると明日の旅程に響くので、
問題がない程度まで高松駅に近づいておきたい。


そしてあとは電車の発着時間との兼ね合い。

案の定、JR高徳線の上り高松駅方面は
1時間に2本程度。

終電も気にする必要があるため、
走りながら適当な駅を探すことにする。



国道11号を西へ
国道11号を西へ走る

引田駅
引田駅

ジョイフル
中心街へ。ジョイフルもある




間もなくさぬき市へ。

国道11号はしばらくJR高徳線沿いを走ってきたが、
讃岐津田駅あたりから少し離れることになる。

つまり讃岐津田駅は電車に乗るタイミングだが、
まだ手前すぎる気もする。

時間もまだ大丈夫そうなので、
先を急ぐことにする。


国道11号をさらに走り続ける。

羽立峠…といっても全然高くはないのだが、
峠を越えて再びJR高徳線に出合ったのが22時。

すぐに志度駅が見えてくる。


志度駅は近くに琴電志度線も走っており、
そこそこの大きさの駅舎を持つ駅。

時刻表を見ると高松駅方面の次の電車は22時28分。
そしてその次が終電で23時1分である。

終電に合わせて走るのはリスクが高すぎるし、
位置的にもここがちょうどいいところ。

自転車を停めると駅に入り、
JR高徳線で高松に向かう。


高松駅に着いたのは23時4分。
結局すっかり遅くなってしまった。


高知駅や徳島駅もそうだったが、
繁華街があるのは高松駅前ではなく、
少し南東へ行ったところ。

検察庁、裁判所を抜けると、
徐々に店が増えてくる。


ホテルにチェックインすると
アーケード商店街を南に向かって進む。


このアーケード商店街は
ライオン通りと言うらしい。

高松の繁華街の中心部だけあって
23時半を過ぎているのに賑わっていて人も多い。

そしてライオン通りにある「蘭丸」に入る。


香川県と言えばとにかく讃岐うどんなのだが、
もうひとつの名物が骨付鶏。

細かく言えば西の丸亀市の名物らしいが、
ここのように高松市にも骨付鶏の店は多い。

骨付鶏の専門店もあるのだが、
ここは遅くまで開いているのがうれしいところだ。


まずはビールを頼むと、
定番の刺身盛り合わせを頼む。

刺身は剣先イカ、地ダコ、サーモン、カンパチ。

特にこれと言った特徴はないのだが、
タコが入っている辺りが瀬戸内海ということだろうか。


そして骨付鶏が運ばれてくる。

骨付鶏は鶏の骨付きのモモ肉に
下味を付けて焼いたもの。

モモ肉が丸々出てくるので
なかなかの迫力だ。


骨付鶏にはおやとひながあり、
おや(親鶏)はしっかりとした歯ごたえと旨味が特徴で、
ひな(若鶏)はふっくらとしてジューシー。

なかなか濃い味付けで皮はパリパリとしており、
まさにビールにぴったりな名物である。


おやとひな。

せっかくだから両方頼んだものの
想像以上の大きさ。

初めは両方食べ切るのは厳しいかとも思ったが、
鶏ということもあるのかどんどん食は進む。


酒を日本酒・綾菊に変えて、
醤油豆をつまむ。

綾菊は香川の酒米さぬきよいまいを使った日本酒。

さぬきよいまいはオオセトと山田錦を交配して作られ、
香川県内でのみ生産されている酒米で、
綾菊はスッキリとしながらも
ふくよかな香りが漂う日本酒だ。


そして醤油豆もまた香川県の郷土料理。

醤油豆は香ばしく煎ったそら豆を、
醤油や砂糖で作ったタレに漬け込んで味付けしたもの。

正直、日本酒は骨付鶏にはあまり合わないと思うが、
こういうつまみには相性がいい。


食べ終えるとホテルへ…と思っていたのだが、
鶏が思ったよりも軽かったためか、
まだ腹には余裕がある。

昨日は食後に徳島ラーメンを食べたが、
せっかくなので今日は讃岐うどんを食べたいところだ。


ただ基本的にうどん屋は閉店するのが早く、
夜まで開いている店は多くない。

そんななか深夜に開いている貴重なうどん屋が、
蘭丸から少し南にある「鶴丸」である。


時刻は既に1時前だというのに
決して狭くはない店内はいっぱい。

入ってすぐ右手ではこんな時間にもかかわらず
ひっきりなしにうどんを手打ちし、
手切りしている。

とにかく1時前とは思えないほど
活気に満ち溢れている。


ここの名物は少し変化球のカレーうどん。

営業時間的にも〆として利用されているのだろうし、
そこで通常のかけなどではないあたり、
うどん県の奥深さだろうか。


注文した牛しゃぶカレーは、
いわゆる肉うどんのカレー版といった感じ。

讃岐うどんと言えばとにかくコシの強さだが、
カレーうどんということもあるのか、
コシは少し控えめといったところ。

そしてカレーは和風だしをきかせたもので、
これが〆にいいのだろう。


僕が食べている間にも客はひっきりなしに訪れ、
店内は賑わっている。

骨付鶏を食べながら飲み、
最後はカレーうどんで〆る。

これがうどん県の夜。
存分に満喫できて幸いである。



鶴羽駅
讃岐津田駅の手前の鶴羽駅

羽立峠
羽立峠を越える

志度駅
志度駅で電車に乗る

高松駅
高松駅

蘭丸
蘭丸へ

ビール
まずはビール

刺身盛り合わせ
刺身盛り合わせ

おや
骨付鶏のおや…のはず

ひな
骨付鶏のひな…のはず

綾菊
綾菊

醤油豆
醤油豆

鶴丸
鶴丸へ

牛しゃぶカレー
牛しゃぶカレー





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2015年9月25日

阿波福井駅(阿南市)~志度駅(さぬき市)
走行距離:約122km(google map)

サイクルコンピュータ(CATEYE VELO WIRELESS+)
走行時間:7時間28分31秒
走行距離:132.41km
平均速度:17.7km/h

阿波踊りなんかしている暇ない
(阿南市→小松島市→徳島市)
渦巻く名物
(徳島市→板野郡松茂町→鳴門市)
■うどん県の夜
(東かがわ市→さぬき市)

地図の詳細
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