たとえ、近々に緊急事態宣言が解除されても、患者が存在し続ける限り、密集の活動は引き続き制限される。
無理して実施して、受験生に感染者が発生したら主管官庁の責任問題となる。法務省、特許庁、総務省がこのリスクを負って試験を実施するとは思えない。
仮に、通常の試験スケジュールをずらして行った場合、その翌年の試験の実施を通常スケジュールにすると、受験の間隔がとても短くなってしまう。前の試験の不合格者たちは、次の試験の準備に取り掛かる余裕がなくなるのである。
今年は見送って、来年合格者数を水増しするというのが、一番現実味がありそうだ。
しかし、来年も予定通り実施できる保証などまったくない。2年、3年連続で実施見送りという、最悪の想定も念頭にすべきと考えて、受験生は無心で勉強を続けるしかない。
また、コロナリスクが長引くほど資格試験予備校などの経営悪化も懸念される。今秋以降、予想だにしない企業倒産もありえると経済関係者は警戒をしている。学費を支払って一度も授業を受けていない人たちもいることだろう。閉鎖が長期に及べば、学費返還の申し出も増えてくる。講師は動画配信で受験生の心の平安をアピールしているが、裏ではすでに学校経営リスクに向けた算段を始めている。不慮の倒産が起きぬといいのだが。