闇とブルー
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手のなか




真っ白い霧の奥に
キラリと光るものがあって
思い切り手を伸ばして
つかんだ
小さくて冷たくて
痛い
悲しみの鱗みたいに
手のなかで光って
そして見えなくなった
握りしめれば
まだ
あるのが分かる
あるのが
分かるよ




こども




わたしはわたしから
ずっと逃げてきて
もう
離れ離れになってしまったわたしを
探すのが怖いのです
恐ろしく幼い子供の顔をして
怒りに泣きじゃくっている気がするので
慰める方法を知らぬまま
会うのが怖いのです
わたしの腕は
わたしの胸は
わたしを抱きしめられるほど
大きくも
やわらかくもなくて
泣きたくなるので
忘れたいのです




4月28日




「ピンクムーン」

昨日のお月様の光が
今夜は雨になって降りてくる
わたしのベランダを
光が打ちつけている
胸の雨樋を通って
涙となって落ちてくる
昨日のお月様の光が
あなたの手に
掬いあげられる



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