闇とブルー
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

詩歌ZINEを発行して


趣味の延長のように詩を書いたり短歌を詠んだりしてきましたが、子どものときから詩集に親しんできた人間としては、いつか自分も詩集を作りたいと心の奥底では夢を見ていました。

もちろん大きな出版社から出せるわけはないけれど、印刷所に頼んで自費出版するというのもあまりにも大きすぎる話で、まず第一にパソコンができないという大きなハードルがありました。

SNSや文学フリマなどを通して、少部数でも刷ってくれる印刷所があることや、たくさんの人が自身の作品を様々な形の紙媒体で発表していることを知り、これなら初心者のわたしにも出来るかも!という方法に辿り着きました。
それがネットプリントでのコピー本でした。

刷る部数を増やせば印刷所でも安くできますが、初めてのことなのでどれぐらい売れるか分からないし、なるべく安価で売りたい、気構えなくさらっと読めるような形、などなど色々思案して、ZINEとして売ることに決めました。

SNSで無料で作品を発表するのとは違いお金を頂いて作品を読んでもらうことを思うと、詩の選出から編集までかなり悩みました。自分の詩にお金を出してまで読む価値があるのか、いや、やっぱりやりたいことはやっておこう!とか、何度も迷いながら作りました。

簡単なコピー本ではありますが、印刷されて本の形になると、とても愛着が湧きます。また、本という形態になった自分の詩は液晶画面で見るのとは違った印象もあり、自分の作品なのに自分の作品ではないような不思議な感覚にもなりました。





  (「泡あつめ」はおまけの折本です。)

編集作業ももちろん大変でしたが、わたしにとっては全くクリエイティビティのない事務作業が辛かったです。


結果としては、知り合いも含めて七人の方に購入していただきました。ありがたいことです。
ご感想をいただいたりもして、作って良かったと心から思いました。
自分の詩がどんなふうに読まれるのかはいつも不安なのですが、巣立っていった鳥が大きくなってまた戻ってきてくれたような嬉しさが感想にはあって、とても励まされます。

ご購入いただいた方、お気にかけていただいた方、この記事を読んでいただいた方、皆さま本当にありがとうございました!!

次に作るときは、印刷所で刷ってもらおうと思います。
いつになるやら……。


雨の詩

     雨の小箱

雨をガラスの小箱に閉じ込めた
いつでも眺められる
わたしのためだけに降る雨が欲しくて
そっと開ければ
小箱のなかでだけ静かに降っている……銀色の涙……
優しそうな顔をして
わたしを手のひらに閉じ込める……永遠に降る雨……
知らぬ間にやわらかく冷やされて
足先から僅かずつ銀色になる
わたしの骨もあなたのような銀色になりたい

あなたがいなくなっても
わたしは何処にも行かないよ


部屋のなかに降る雨があまりにも静かで
脱皮のように体から言葉が剥がれ落ちてゆく音も
柔らかく奪ってしまう
雨がしみる
痛みを纏って生まれてきたのに
痛みを抱き寄せて
愛することができないままだ


1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>