メリーさんの電話 「俺の名はメリー。今貴様の後ろにいる」 第6話 | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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メリー「俺は貴様を気に入った」

少女「……はい?」

メリー「その泣き顔や怯えてる顔を、

もっとよくみたいと思う」

少女「ああ……はい」

メリー「だから殺さなかった」

少女「……それと今の話と、なにか関係が?」

メリー「……鈍いな。泣かすぞ」







少女「なんで!」

メリー「言っておくが、俺は貴様をいつでも殺せるんだぞ」

メリー「俺の気分しだいでな」

少女「う……ま、またそれですか」グッ

少女「も、もう怯えませんよ!

メリーさんには負けませんからっ!」ブルブル

メリー(要塞の中から言われてもな)

少女「……もう今日は寝ます」グスッ

メリー「そうか」

少女「おやすみなさい、メリーさん」

メリー「……おやすみ」

少女(……あれ、メリーさんってどこで寝るんだろう)

少女「」コソッ

メリー「……」ジッ

少女「!!」ビクッ

少女(お、起きてた……っていうか見てた……)ドキドキ

少女(……そういえば、メリーさんって、

幽霊……なんだよね?……)

少女(……契約……)

少女(何者……なんだろう……)


メリー「……」スッ

スタ…スタ…

少女「……すぅ、すぅ……」





――翌朝

少女「ふあぁ……」ノビッ

メリー「おはよう」

少女「あ、メリーひゃん……おはよーございます……」ファァ

メリー「学校はいいのか」

少女「今日は土曜日ですよー……」

メリー「……貴様、朝弱いのか?」

少女「ちょっと……、顔洗ってきます」

少女「」バシャバシャ

少女「ふー……」パッ

メリー「」スッ

少女「ぬわあああ!?」

メリー「ふむ、及第点だな」

少女「いきなり鏡に表れないでください!

心臓に悪い!!」ドキドキ

少女「っていうか何ですか及第点って……!」

メリー「驚き方だ」

少女「これわざとですか!!」

メリー「そんなことよりさっさとしろ、出掛けるぞ」

少女「はっ? き、休日は勉強を……」

メリー「……つまらん人生を歩んでいるな、貴様は」

少女「し、失敬な。メリーとこうして話してるだけでも

十分刺激的な人生になってますよ!」

メリー「とにかく、俺を待たせるな」

少女「なっ」ムカチン

少女「いやですよ! 土曜日は勉強するってきめてるんです!」

メリー「そうか……ならば指の一本でももげば言うことを聞くか?」

少女「ひいっ!?」ビクッ

メリー「どんな声で泣くか楽しみだな……」ニヤ

少女「いやああああ!着替えます!着替えますからああっ!!」

メリー「わかればいい」

少女(絶対遊ばれてる!)

少女(で、でも怖いよおぉ……)グスン





――十分後

少女「……あの」

メリー「なんだ」

少女「まさか、その格好で街を出歩く気ですか?」

メリー「貴様は俺に全裸で出歩けというのか?」

少女「違います!!」

少女「そうじゃなくて、そのローブみたいなの、

街に出たらもの凄っっく目立ちますよ!?」

メリー「貴様の格好は目だたなさ過ぎだと思うが」ジミ…

少女「うっ……は、話を逸らさないでくださいっ」

少女「とにかく、その格好だと街じゃ浮いちゃいますよ。

ただでさえ目立つのに……」

メリー「ならば、最初に行くところは決まったな」

少女「へ?」





――ショッピングセンター

少女「……」ブルブル

メリー「何をそんなに怯えている」

少女「……一人で入ったことないんです」

メリー「俺がいるだろう」

少女「ノーカウントですっ。第一透明化してるじゃないですか」

少女「え、えっと、男の人の服売場は……」

女子高生達「」キャッキャッ

少女「っ」ビクゥ!

少女「あ、あっちみたいですね。早く行きましょう……」コソコソ

メリー「……」

少女「ここが男性服を売ってる店みたいです」

メリー「そうか、入るぞ」

少女「う、ほ、本当に入るんですか……?」

メリー「入らないと服が買えないだろう」

少女(私のお金なのに!)

少女「だ、だって、女一人で男性服売場に入るなんて、

変じゃないですか……」

メリー「だから、適当に服を選んで、

試着室とやらに入ればいいんだろう?」

少女「……わ、わかりましたよう……」

少女「あ、メ、メリーさん、これなんてどうですか?」

メリー「却下。ダサい」

少女「てっ、適当でいいって言ったじゃないですか!」

メリー「貴様、今見もしないで服を取っただろう……」

少女「うぐっ」

少女「……」

客「」ガヤガヤ

少女(視線が気になる……)

少女(誰も見てないことなんて分かってる、けど……)

客「」ヒソヒソ

少女「っ」ビクッ

少女(さっさと選んじゃおう……あ、これなんて……)カチャカチャ

少女「メリーさん、これはどうですか?」

メリー「……さっきのよりは随分マシになったな」

少女「ちゃんと選びましたよ」

メリー「まあいい、着替えてやろう」

少女(上から目線だなあ……)

少女「メリーさん、サイズは大丈夫そうですか?」

メリー「ああ」

少女「そうですか。……あの、メリーさん」

メリー「?」

少女「何で突然出掛けようなんて言い出したんですか?」

メリー「出歩けば、貴様の願いが見付かるかもしれないだろう」

メリー「貴様は意図的に他人との関わりを避けているからな」

少女「そ、そんなこと……」

メリー「ない、か?」

少女「……」

メリー「ふん。まあそれに、他人とすれ違うだけで

ビクビクしている貴様を見るのも楽しいしな」

少女「なっ!! そ、そっちが本分でしょう!」

メリー「どうかな」クック

少女「うう……」

メリー「着替えたぞ」ガチャ

少女「あ、えっと、じゃあ、て、店員さんを呼ん、で……」

少女「……」ボー

メリー「? どうした」

少女「っ!」ハッ

少女「なっ、何でもないです! 店員さん呼んできますっ!」ダッ

メリー「……?」

少女(が、外国のモデルさんみたい……

着替えるだけで別人だよ……)


少女「あ! あのっ、すいません、試着したものを、

そのまま着て帰りたいんですけど……」


少女「……」

メリー「……」

周囲「」ザワザワ

少女「……」ビクビク

少女(うわあああ!! 視線が痛いよ――!!)

少女(これは勘違いじゃないよね、

あきらかにメリーさん目立ちまくってるよね)

少女(こんな目立つ人の隣にこーんな地味な私!

逆に目立つわっ!!)グスッ

少女「メ、メリーさん、もう出ませんか……?」

メリー「何をいう。まだ来たばかりだろう」

少女(なんかちょっとご機嫌だし!)

少女(と、とりあえずこれ以上目立たないように、

陰に隠れておこう……)コソコソ

メリー「……」

メリー「少女」

少女「な、何ですか」ヒソ

メリー「髪にゴミが付いているぞ」スッ

少女「え? あ、すいませ……って!」

少女(ま、また無意味に近いっっ!!)

周囲「」ザワ…ザワ…

少女(ああああ視線がああああ――!!)サァァ

メリー「どうした? 顔が青いぞ」ニタニタ

少女「なっ! わ……わざとですか!?」

メリー「俺は髪についたゴミを取ってやっただけだ」

少女「ゴミ! 見せてください!」

メリー「もう捨てた」

少女「っ~~!!」ウルウル


少女「もういいですっ。

メリーさんは好きに見て回ってくださいっ」グスッ

メリー「おい、どこにいく?」

少女(確かこの辺りに……)

少女(あっ、あった)

メリー「本屋か」







続く