今日、自分はなかなか謝らない人間になっていることに気が付いた。
日本文化では、すぐ謝ることが良しとされている部分がある。
まず謝罪をして、詳しい話や交渉はそれから…みたいな。
でも外国でそれをやると、不具合が出るケースがある。
なめられたり、一方的に悪いとみなされたり、逆に「なぜ謝った?」と変な空気になったりするのだ。
誰かにぶつかったり、足を踏んでしまったりしたら、普通に謝るけどね。
私は元来ペコペコ系の日本人で、日本にいるときはやたらと謝ってしまうタイプだった。
その性質を持ったまま外国に住むようになって、何度も謝罪のタイミングを失敗をしてきた。
ついには考えすぎで、謝り方がわからなくなってしまったようだ。不器用。
今日はクエストゥーラの職員さんを1時間も待たせてしまい、怒られた。
もちろん、待たせてしまったのは理由がある。
申請作業中にトラブルが発生し、「今すぐ郵便局に行って戻ってきて」と指示されたのだが、
郵便局で長く待たされた。
フィレンツェの郵便局は非常に混む。 よそも混むのかな?
用事1つのために1時間待つなんて、少なくとも私が行ったことのある数局ではザラだ。
職員さんも郵便局の事情をわかった上で、私たちを送り出したのだと思っていた。
郵便局でのミッションを終え、寄り道せずクエストゥーラに戻って来た。自分たちにできる全速力だった。
しかし「戻ってきました!」とアピールする私たちを見る職員さんの目は、この上なく冷ややかで、
「遅すぎるわよ!」と睨み付けられて怒られた。怖かった。
そりゃ1時間も待たされたら、誰でも怒る。
しかも昼時だったから、さぞお疲れでお腹も空いていたことだろう。
それに緊急で郵便局に行かなくてはいけない事態になったのは、私が原因だといえる。
いろいろ言い分はあるけど…クエストゥーラ側にとったら、不備は不備。それは認めるしかない。
けれど、郵便局の待ち時間は、本当にどうしようもない。
このままでは申請が却下されてしまうかも。なんとか説明しなくては…!と慌てている私の横で、
夫は、ただ、素直に謝っていた。
それを見た私は我に返り、”今は謝るべきだ”と気が付いて、一緒に謝った。
職員さんは、怒りながらも申請手続きの処理を再開してくれた。
たぶん彼女は、ただ謝ってほしかったんだろうな。
怒りのやり場もないし、休憩時間がなくなったり遅れたりしたら、誰だって嫌だもの。
こちらとしても申し訳ないと思うし、夫が自然に謝ったことは大正解だった。
無事、この日にできる作業は完了し、申請は次のステップへ進むことができた。
怒りながらも待ってくれて、頑張ってくれた職員さんに感謝の気持ちを伝えたい。
イタリア語や英語では伝えられないので、日本人らしく頭を下げて、
気持ちを込めて「Grazie mille!!」とお礼をした。
最後、職員さんは笑顔だった。
イタリア人は「Graize」と言われると、反射で笑顔になってしまう習性があるような気もするけど、
ちゃんと「ありがとう」が伝わっていたら良いなと思う。
謝ることの難しさと大切さを感じた一日でした。夫も見直した!